スウェーデンハウス(株)九州支社の着工実績は対前年同期比25%アップ、大和ハウス工業(株)の2009年4~6月期は純利益3.6倍の80億円―厳しい住宅関連業界のなかでも、実績を伸張させているメーカーが徐々に現れはじめた。しかし、かつて業界の雄であった積水ハウス(株)の09年2~7月期予想は最終赤字41億円(前年同期は280億円の黒字)と下降の一途をたどっている。一体、積水ハウスに何が起こっているのか、検証したい。
<厳しい環境下でも実績を伸ばすメーカー>
昨年12月から対前年同月比で、7カ月連続でマイナスが続く新設住宅着工戸数は、今年4~6月までの3カ月間、30%以上の下落率を記録している。2009年に入ってからの6カ月間累計では、対前年比でマイナス27%もの大幅減少となっている(【表1】参照)。
昨年9月のリーマン・ショックによる世界同時不況を克服するために、各国が巨額の景気対策を打つなか、日本国政府も自動車、家電などを含めた環境(エコ)対策、ならびに経済波及効果の大きい住宅産業向けに優遇策を繰り出した。自動車・電機関連は、減税やエコポイントの効果も後押しし、今のところはプラス効果が働いている。しかし、購入金額が平均年収の6倍以上と大きな投資となる住宅には、雇用不安や所得減に対する将来不安から、各種景気対策の効果が現れていないのが実情だ。
しかし、このような厳しい環境下でも、実績を伸張させている住宅メーカーがある。
スウェーデンハウス(株)九州支社(中眞一支店長)は前期の業績から大きく反転、着工実績が対前年比で25%増の100棟を突破し、契約実績は120棟をオーバーする見込みだという。同社は九州だけでなく、関西や関東地区など国内各地で前年実績を上回ったようだが、自動車不況の影響によって、名古屋を中心とする中部地区と、東京都心部および横浜地区の伸び率が他地区に比べると弱くなっている。
【徳島 盛】
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