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アイ・アンド・アイ福岡 不動産不況と営業力低下の苦境脱せず(1)【倒産を追う】
特別取材
2009年8月25日 08:00

 7月3日、福岡で投資型マンション販売・管理を手掛けていた(株)アイ・アンド・アイ福岡が破産手続申請をした。負債総額は6億4,837万円。地元では名を知られたブランドマンションを展開し、プロ野球のスポンサーなどにも活動を広げていた同社だけに、突然の倒産劇に対して、当時の関係者は驚きを隠せなかった。

COMPANY INFORMATION
代 表:宮本 篤尚
所在地:福岡市中央区舞鶴1-2-22
設 立:1998年5月
資本金:1,000万円
年 商:(09/4)11億7,171万円

「I・CELEB」で成長

 (株)アイ・アンド・アイ福岡は、地場デベロッパーで経験を積んだ宮本篤尚氏が、1998年5月に設立した。資本金は1,000万円で、役員および経理には宮本代表の親族が名を連ねる同族企業だ。宮本氏は、今年1月26日に破産した㈱シックス(福岡市)に立ち上げ当初から勤務。そこで学んだノウハウと若手中心の営業力を生かすかたちで独立した。

 同社の事業はデベロッパー部門、マンション管理部門、EC(イーセレクト)部門に分けられる。デベロッパー部門は、「I・CELEB」ブランドで展開する投資用マンションの企画・販売を行なっていた。設立当初は中古物件を販売していたが、5年ほど前から自社企画に進出した。

 ビジネスモデルとしては、(1)大手建設会社から区分所有マンションを購入する、(2)自社で土地を購入したのち建設会社に建物を建築させて区分所有マンションとする、といった方法で物件を仕込み、主にワンルーム型の投資用マンションを販売することで利益を得ていた。

 マンション管理部門は新設したばかり。それまでは社内に適任者がおらず、他の業者に任せていたが、08年から事業許可を取得して管理事業に乗り出した。破たん直前には約100棟550件を管理していた。
 
 いずれも自社で企画・販売したマンションが対象で、購入者との間で賃貸管理業務委託契約を締結し、賃料の集金などを手掛けていた。
 
 設立後、約3年間は販売が苦戦していたものの黒字は維持。その後、不動産投資ブームが追い風となったこともあり、ピークとなる07年4月期には23億9,641万円の売上高に対して営業利益7,355万円、経常利益4,865万円、当期利益3,769万円を計上した。 バブル期に横行したファンドへの1棟売りという手法はとらず、借入金も3億4,000万円前後でとどめ、負担は比較的軽かった。
 
 またEC事業部も有し、こちらは妻・昭子氏が「アイ・セレクト」という店名で高級ブランド品のネット通販を行なっていた。現在は㈱アイ・セレクトとして、独立した営業をしている。

~つづく~

【大根田康介】

【2009年8月24日号「IB」掲載。決算書は省略】


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