相談者 34歳男性
当時私は不動産関係の会社に勤めており、3年ほど付き合っている彼女がいました。
互いに「そろそろ結婚しようか」という話も出ており、近々彼女の両親に会いに行く予定でした。
ある日のことです。私が残業を終え、夜遅くに自宅マンションに帰宅すると、玄関のドアの横に20代後半くらいの女性が立っていました。地味な感じの、小柄なごく普通の女性で、こんな遅くに何の用かと声をかけようとすると、女性はすぐに私の前から走り去って行きました。そのときは仕事で疲れていましたし、その女性が訪ねる部屋でも間違えたのかと思い気にも留めていませんでした。
翌日、会社から自宅に帰ってくると、自室のドアノブに紙袋がぶら下がっており、中には手作りの弁当が入っていました。私はてっきり彼女からの差し入れだと思い、部屋に入ってすぐに食べました。寝る前に彼女に電話をしてサプライズ弁当のお礼を言うと、彼女は何のことか分からないと言うのです。最初はとぼけているのかと思ったのですが、どうやら本当に知らないようなのです。
そのとき、ふと昨晩の見知らぬ女性のことが頭をよぎりました。そのことを彼女に話そうかと思いましたが、変に疑われてしまっては困ると思い、黙っていることにしました。
弁当のことを考えると気味が悪くなりましたが、私は連日の残業で疲れ果てていたので「きっとあの女性が誰かの部屋と勘違いして置いていったのだろう」と自分に言い聞かせて寝ることにしました。
ところが、翌日も同じように紙袋がドアノブにぶら下がっているのです。しかも今回は手紙まで入っていました。驚くことに手紙は私宛に書かれたもので、私のことが好きだというような内容のことが書かれてありました。
あの女性は間違ったのでも勘違いでもなく、私のところに来ていたのです。
しかし私は女性が一体どこの誰なのか検討もつきません。以前に会った覚えもないのです。
私は気味が悪くて仕方なかったので「迷惑なのでやめてくれ」とだけ書いた紙を、ぶら下がっていた紙袋の中に入れておきました。翌朝家を出るとき、紙袋はなくなっていました。
何日かが過ぎ、そんなことも忘れかけていた矢先です。仕事を終え、自宅近くの駅に着くと、例の女性が改札口のところに立っているのです。私は気づかないふりをして通り過ぎようとすると、「お帰りなさい」と小さな声で言ったのが聞こえました。私は気味が悪いのを通り越して怖くなり、走って家まで帰りました。
それからというもの、毎日のように自宅前や駅の改札口であの女性が私を待ち受けている日々が続きました。一度「迷惑なので付きまとわないでくれ!」とはっきり言ったのですが、返事もせずに立ち去り、翌日にはまた私を待っているのです。
警察にも相談して来てもらいましたが、そのときに限って女性は現れません。
彼女には誤解を招きそうなので言ってはおらず、友人に相談すると相手にしなければそのうち収まるだろうと言われました。
仕方なくしばらく我慢していると、ある日から女性はぱったり姿を見せなくなったのです。
私はようやく女性の待ち伏せから解放されたと思い安心しました。
しかし、そう思えたのは、ほんの束の間だったのです…
(つづく)
総合探偵社F.R.C. 鈴木教夫
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