国民の一票で決定
若い世代は、『10億円のキャッシュを握った』ほどの貴重な経験をしている。「彼らの一票で世の中が変わる」という実感を掴んだからだ。いや確信したのである。この経験を踏まえて、今後到来する日本の未曽有の危機に対応できる逞しい生命力を養成できる場になれば喜ばしい限りだ。各人の自立心、人間力が日本を救う。
今回の平和革命の口火を切った功労者は、ほかならぬ小泉純一郎元首相だ。4年前の総選挙で、「自民党をぶっ潰す」と叫んだことに国民は陶酔した。その結果、自民党は300議席に達する圧勝できた。だがこの4年間、生活は苦しくなるばかりだ。誰もが「小泉から騙された」という結論に至った。一生忘れることのできない怨念を抱いた。つけ加えると日本人の『忘れっぽい』という気質も変質した。粘着性が強まったのだ。
この世の中に激変を求めている国民の本心を理解できない馬鹿殿3代が首相のポストに就いた。彼らは失政を繰り返した。リーダーシップの面において自ら「能力なし」を露呈したに過ぎない。だからこそ、国民は「こんな自民党はぶっ潰せ」の選択をしようとしている。無意識の中に、自民党を支えてきた構造を粉砕することを念じていたのである。
官僚国家打破
平和革命とは何を抜本的にチェンジするのか。明治維新以来、150年間続いていた官僚国家体制を転覆させることだ。平たく言えば官僚たちに、結果責任を取らせる体制を構築させることである。確かに国家官僚たちは、明治維新初期や昭和20年以降の国家再建過程では『国を繁栄するための使命・気概と能力』を発揮した。しかし、150年の時間の中では僅かな期間である。官僚組織の本性は、既得権に胡坐をかくことだ。絶えず「公僕」の意識を叩き込まないと役人たちは傲慢になる。本質的には彼らは、「国民を統治している」という錯覚に陥る習性がある。今までは、国民たちが従順であったから頭に乗れたのだ。
知ったかぶりの識者が、「役人は優秀だから上手く使う」と言う。阿呆なことを言わないで!!この4年間、役人たちが頭で考えたビンボケ法案でどれだけ中小企業が潰されてきたか!!業界がどれだけどん底に追い込まれたことか!!激変時代に理解不能になっている。脳はない。優秀な民間人をどしどし官僚組織のトップクラスに登用すれば良い。また有能で将来を託される若手幹部を、民間へ留学する制度を定着させるべきだ。成すべきことは「稼ぐことの難しさ」を認識させることである(今後、この能力が問われる)。
誕生した民主党政権は政治による官僚統制に踏みこんでいく。官僚たちもしたたかに反撃を開始するだろう。まず人事権を取りあげて威嚇することから戦いの口火が切られる。同時に、着手すべきことは各省庁の隠されている資料の情報公開を速やかかつ徹底的にやることだ。官僚たちの勤務評定を公に赤裸々に行うことから改革の一歩が踏みだされる。高級官僚たちをのさばらせてきた背景には責任の出所を不問にしてきたという事実がある。情報公開することで世間の批判の目にさらせば『公僕意識』が蘇生されよう!!
【児玉 直】
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