きょう30日は衆議院議員選挙の投票日だ。自民党と公明党の連立による政権を継続させるのか、それとも民主党を中心とする新しい政府を目指すのか、有権者の判断が求められる。「政権選択」の一語でくくられるキャッチコピー選挙となったが、有権者の暮らしや国のあるべき姿を決める大切な日である。
審判の日、20代の若者たちはどのように1日を過ごすのだろう。「選挙なんて関係ない」「政治は嫌い」。そうした若者の声をたくさん聞いてきた。政治を語ること自体を嫌悪しているかのようだ。テレビや新聞で、政治家や官僚のきたない実態をさんざん見せつけられてくれば、それも当然かと思う。
しかし、きょうだけは自分の未来の姿を考えてほしい。
どんな形であれ、働いて飯を食わなければならない。結婚して家庭を築く人もいれば、独身を通すという人もいるだろう。いずれにしても、何らかの形で国の根幹を支える義務を負う。日本で生活する以上、権利は守られるが、義務も生じるからだ。
考えてもらいたいのは、好むと好まざるとに関わらず、すでに若い世代が膨大な借金を背負わされているということだ。
国債や地方債という言葉を聞いたことがあるだろう。つまり、国や県、市町村による借金のこと。政治家や役人が勝手にこしらえた借金など関係ないと思っていたら大間違い。道路や橋の建設など、さまざまな公共事業によって便利さが増すと同時に、若者世代への貸付金は膨れ上がる。つまり、長い期間借金を返済することになる若い世代ほど支払わされる金額が大きくなるというわけだ。
年金や社会保険についての負担も重くのしかかる。少子高齢化(子どもは少なくなる一方、お年寄りの数は増えるという現象)が進み、現在より少ない人数でお年寄りの暮らしを支えることになるからだ。本当にそれでいいのだろうか。
政治や選挙から逃げないでほしい。これから声を上げることも大切だが、まずは今日の選挙で、政治参加への一歩を踏み出してもらいたい。未来は自らで切り拓くものだから。
【秋月】
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