1、運送会社のカモフラージュ
運送会社A社は事実上、潰れているのだ。その物流倉庫に行ってみた。営業車が4台置いてあるが、敷地内はガラーンとしている。構内の一部で2、3人が何か雑用をしている感じだった。それで同社の雇われ社長に会ったが、もう6カ月給料をもらっていないとか。年金収入で急場を凌いでいるという嘆き節を聞いてあげた。「社長、もう店じまいにしたらどうですか」と問いただした。ところが、「いや、とんでもない。事業活動をストップしたら、運送業の免許が剥奪されます」と血相を変えた。この雇われ社長にとっての本音は、剥奪されることはどうでも良いのだ。実質的なオーナーが再起のチャンスをうかがっているために、実は営業をしているふりの偽装工作を展開しているのである。
2、建設業者の息の根を止めるには『粉飾決算』をタレこむ
ある建設業者が4カ月の指名停止を食らった。この会社の社長は「誰かが、おそらく社員か同業者が、役所に粉飾決算のことをタレこんだから指名停止になった」と語る。建設業者の半分は、役所に粉飾決算書を提出している事実は公然の秘密。タレコミの意地悪が続出すれば、業者は「おおごと」になる。
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