投票まで20日を切り、各陣営とも懸命な戦いを展開している。後援会組織や推薦団体をフル動員するやり方からドブ板まで、戦術はさまざまだ。前職の衆院議員は、従来の知名度に加え、実績や経験を訴えて支持を広げる。かたや新人は知名度が低く、実績もない。空中戦は、雲をつかむようなもので手ごたえがわからない。そこで有名タレントなどを招いたイベントが企画される。
　10日夕刻、福岡市中央区の警固公園に、福岡２区から出馬予定の稲富修二氏と民主党を応援するため、プロレスラーの前田日明氏が現れた。前田氏の来福を知ったファンなどが公園に詰めかけ、大きな群れにふくれあがる。前田氏は「派遣切りで路頭に迷わせるような政治、年金も満足にもらえないような政治におさらばしよう」と呼びかけた。
　稲富陣営の関係者は「きょうのイベントは、若者と無党派層を狙ったものです。後援会組織がない私たちにとっては、知名度を高めていくことが大切」とイベントの目的を語る。ただし、最後にものをいうのは、有権者の心をとらえるこまめな活動であることも忘れてはいないという。
　福岡２区で新人・稲富氏に立ちふさがるのは、自民党の大物・山崎拓元副総裁である。