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発信!北九州

北部九州の自動車産業の現状を読む(3)
発信!北九州
2009年9月 2日 08:00

松本工業(株) 代表取締役社長 松本茂樹氏
~自動車不況という逆風を乗り越え、日々改善で時代に合わせた変化を

<強い覚悟こそ、参入への条件>

 ―そうすると、参入するにあたって重要なことは何でしょうか。

 松本 自動車産業へ「参入するぞ」、という強い覚悟を決めることです。他の分野をやりながら、片手間に参入できるほど簡単ではないのです。経営者に必要なものは「金」・「時間」・「覚悟」の三つです。

 ―御社が自動車産業へ参入するきっかけは何だったのでしょうか。

 松本 当社は1966年に住友金属工業小倉製鉄所の協力工場として、ビレット手入れ作業を主たる業務として設立しました。この当時、自動車産業とは無縁でした。しかし、75年に日産自動車九州工場が操業を開始し、当社が製造していた物流パレットが日産と一次メーカーの目にとまって、納入するようになりました。このことで自動車産業との付き合いが始まり、次第に製品への信頼度が増して、80年に二次メーカーとして操業しました。
 最初はプレス単品からスタートしました。単品ですから、一般の人が見ても何の部品なのかはわかりません。その後、プレス単品をアッセンブリーするようになったことで、見た目でシートの部品かな、というようにわかるかたちのものを製造するようになってきました。
 現在、自動車産業への参入から30年以上が過ぎ、福岡県豊前市の第二工場を主体にさまざまな部品を製造しています。やはり、自動車産業でのノウハウを習得するには、時間はかかりますね。

 ―自動車産業への参入は「金」・「時間」・「覚悟」が必要とおっしゃっていましたが、具体的にはどのような組織を作ってきたのでしょうか。

 松本 まず行なったのは、生産技術を磨いてコスト削減を図ることでした。さまざまな設備を外部より購入するのではなく、自社で賄うことを目指しました。機械設計・製造をメインにしている関連会社の松本エンジニアリング(株)で装置を製造したのですが、そうすると社内で製造するので設備費が抑えられました。また、効率的な製造工程にするために、ライン生産ではなくセル生産に変更しました。これによって、在庫管理、生産管理そしてメンテナンスまでを一人でできるようになり、これによって大幅なコストの削減が可能になりました。
 当初、プレス単品から自動車産業へ参入しましたが、何種類もの単品を製造しても製造数を増やしても、単品のみでは限界があることがわかりました。というのは、単品製造では材料費が約70%を占めているため、利益が出ないのです。
 しかし、単品にアッセンブリーをすることで、付加価値が付いて単価が上がります。そして単価が上がったことで材料費が抑えられるのです。いろいろな失敗などの経験があって、て、はじめてここにたどり着きました。

(つづく)

【文・構成:新田 祐介】


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