昨今の我が国の生コンクリート業界は、氷河期に入っていると言っても過言ではない。
全国各地で出荷量が20~30%減少。官民需とも上昇する気配は今のところ無い。経営合理化や工場集約化によって業界再編を早急に実施することが各工場の生き残る道ではないだろうか?
そのような市況の中でも、黒字経営を実践している生コン工場は存在する。
生コン工場の経営はどのような状況であるのか?客観的な視点で見てみたい。
TKC経営指標(要約版 2008年1月~12月期決算)のデータによると、08年1月期~12月期決算の全国生コン工場において黒字であった企業125社の平均年商は5億2,415万円、従業員は19.7名。ちなみに08年1~12月の全国生コン生産者価格の平均は11,977円/m3(経済産業省「生コンクリート統計年報」より)。年商と価格を割ると、年間出荷量は43,763㎥。月平均で3,646m3。
生コン工場の経営者の間では「月間3,000m3がデッドライン」と言われている。
だが業界の現状は窮地に立たされている。全国平均で2,000m3/月の出荷を割り込み1,841m3。前述した黒字経営の平均出荷量の49.5%である。
【河原 清明】
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