博多阪急(仮称)開業まであと、1年半。博多阪急がどのような店づくりをするか、天神地区3百貨店は注目している。なかでも関心を集めているのが、特別顧問に就任した元博多大丸常務・中山正勝氏の動き。戸上雅夫元専務とともに博多大丸のミズ路線を唱導し、やり手で通っただけに、古巣の博多大丸は気が気でないと思われる。
中山氏は北九州大学商学部を卒業後、博多大丸に入社した生え抜き。博多大丸中興の祖である長沢元昭社長に仕え、天神移転を経験。東館(エルガーラ)増床を先輩の戸上専務とともに指揮。戸上氏とのコンビで博多大丸をグループ最大の高収益企業に育て上げた。
大丸社長に奥田務氏が就任後は活躍の場も狭まった模様で、専務昇格がないまま、常務営業本部長で退任した。その後、営業手腕を見込まれ03年三重県津市の百貨店・津松菱社長に招聘され、昨年4月まで務めた。赤字だった津松菱をわずか1年で立て直し、実力を証明して見せた。
親分肌で知られ、博多大丸にはなお、同氏を慕う元部下も多いといわれる。博多阪急開業までに社員の引き抜きがあっても決して不思議ではない。
地元市場に詳しいだけに、業界では水面下の動きに注目している。神経をいちばん尖らせているのは博多大丸だろう。
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