データ・マックスでは、9月3日(木)~5日(土)の3日間で、「上海経済圏・寧波経済事情視察ツアー」を行なった。現在、BRICsの1国に数えられ、世界的に見ても急成長を遂げつつある中国。そのなかでも、上海の南に位置する浙江省寧波(ニンポー)市は、杭州湾を跨ぐ全長約36kmもの世界最長の海上大橋の開通や、世界的な物流拠点・寧波港の大規模な整備によって、中国内でも特に躍進している地区である。今回のツアーは、そんな寧波の現状を実際に視察し、急成長都市の活気を肌で感じてくることを目的に行なわれた。
と、いささか硬派な目的で開かれたツアーではあるが、この旅行記では幾分か堅い内容を排除し、読み物として楽しめる内容を目指していきたいと思う。寧波はもちろん、中国、初体験である筆者が感じたツアーの様子を、数回にわたってお届けしたい。
福岡空港出発
9月3日、データ・マックス主催の「上海経済圏・寧波経済事情視察ツアー」が始まった。
朝の8:00に福岡空港国際線ターミナルに揃ったメンバーは、私を含めたデータ・マックス社員を入れて18名。搭乗手続きでチケットを受け取った後別室に集合し、まずは開催にあたって、視察団団長のデータ・マックス代表・児玉による挨拶が行なわれた。次に、今回のツアーの同行者である西南学院大教授・立石氏による簡単な最新の中国動向分析の説明、ツアー添乗員による注意事項の説明がそれぞれ行なわれ、その後は各々の出国手続きに移行していった。
出国手続きを終え搭乗ゲート付近に着くと、すでに搭乗手続き開始間近。飛行機は10:00発であり、多少余裕を持った集合時間であったハズなのだが、案外各種手続きに時間を取られたらしい。
搭乗ゲートあたりから、我々が乗ると思われる飛行機が見える。・・・思っていたよりは小さい。例えば、国内線の東京行きの飛行機などはもっと大きいように思うのだが、これで国外まで飛んで行くのか。あまり慣れていない自分にとっては多少不安を感じるところもあったのだが、四の五の言ってもしかたがない。意を決して、飛行機に乗り込む。
いよいよ出発である。
所要時間は約1時間半
福岡~上海区間の飛行時間は、1時間半ほど。日本とは時差が1時間あるので、こちらを10:00に飛び立てば、現地時間で10:30頃に着く計算になる。所要時間が1時間半というのは、福岡から東京に行くのより早い。さらに、飛行機内では機内食が出たほか、ドリンクサービス等もあり、案外時間は早く過ぎていった。
余談というか、心底どうでもいい話だが、筆者は飛行機が苦手だ。怖いとかそういうことではなく、体質的な問題からか気圧の具合で酷い頭痛に苛まれるのだ。調子がいい時は何事もなく過ごせることもあるのだが、こればっかりは運を天に任せるしかしかたがない。とはいえ、何の対策もせず、ただ激痛に耐えるというのも癪だ。そこで今回は、航空用の耳栓を用意してみた。耳栓に3重の弁が付いていて、耳の内部を気圧の変化からガードしてくれるという優れものだ。とりあえずは、これで安心だ。
やがて飛行機は上海に降り立った。現地の天気はやや曇りがちの晴れ。気温は福岡とそう変わりはない。私にとって初めての中国の地だ。やや感慨深く、飛行機から一歩を踏み出した。
なお、前述の耳栓は全く効力を発揮せず、私はいつも通り激痛に苛まれたことを追記しておく。
威圧的な入国審査
上海空港に降り立つと、まず待ち構えていたのは入国審査である。「中国人」、「外国人」で分けられた列に並び、自分の順番を待つ。世界的に新型インフルエンザが流行していることもあり、空港内にはマスク着用の人間が数多い。私も念のため、持参していたマスク着用で待つ。
私の番が来た。パスポートおよびその他書類を提出すると、やや厳めしい審査官が睨みつけてくる。そして面倒くさそうに、マスクを外せとジェスチャーで指示。マスクを外すと再び、威圧的にこちらを睨みつけながら判を押し、「行け」と促す。多少予想はしていたとはいえ、中国の審査官は思った以上に無愛想かつ威圧的だ。お国柄もあるのだろうが、ホスピタリティな部分に関しては日本を見習ってほしいと、個人的に感じた。
無事入国審査も終わり、あらためて空港内を見渡す。空港全体として、ずいぶんと暗い印象を受けた。建物の広さに対して、照明がずいぶんと絞られている気がする。これは節電なのだろうか。
【坂田】
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