ハウステンボスの再建をめぐって、9月7日に福岡市内で行なわれた福岡経済界の首脳協議で、改めて資金的な支援はしないという方針が打ち出された。再三報じているように、支援企業が9月いっぱいで決まらなければ、従業員の給料も払えないところにまで資金繰りが悪化していることが、データ・マックスの取材で分かっている。
長崎経済の疲弊ぶりを象徴するかのようなハウステンボスの混迷は、(過去に出資して失敗した経緯があるとはいえ)福岡経済界にはもはや余力がないことを端的に表わしている。また、中央資本の短絡的・保身的発想では、地方のテーマパーク運営がうまくいかないことを示唆している。
とくにハウステンボスのような施設の場合、いかに訪れる人々に愛されリピートされるか、この点にすべてかかっていると言えよう。そういう意味で、ディズニーランドは成功しており、リピーターが後を絶たない。
ハウステンボスをよく知る人は「魅力的なキャラクター、子どもが喜ぶ施設やイベントが少ない」と指摘する。たしかにその通りだ。また、高い入場料もネックになっているようだ。
しかし、何よりも問題なのは、経営陣に「郷土愛」や「愛社精神」が欠落していることではないだろうか。もっと言えば、これらと資本が備わっている地場企業が中心となって支援しない限り、真の意味での再建は非常に難しいと思われる。いずれにせよ、9月が資金調達面でひとつのヤマ場で、その動向が注目される。
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