衆院福岡2区で当選した稲富修二氏が、07年の県知事選挙に出馬した際、民主党から推薦料4,000万円を受け取った。選挙後、約1,900万円が余剰金となったが、どこに消えたか分からない。税金から支出された金1,900万円が行方不明になったということだ。
疑惑を報じられて開いた会見では「財界人に預けたが、金がどうなっているか分からない」という噴飯ものの釈明。「税金のムダ使いをなくす」との民主党の主張に疑問符が付いてしまった。結論から言っておくが、稲富氏側の釈明は虚構である。データマックス取材班が昨年11月から追い続けた選挙余剰金の「消滅」問題について検証する。
07年の知事選で民主党が公認料として稲富氏本人に支払った金額は4,000万円である。しかし、選挙戦を戦うために「稲富陣営」に渡った金の総額は約7,000万円に近い。
知事選本番を控えた同年3月、民主党からふたつの稲富氏側政治団体に計2,750万円が支払われる。政治団体の名称は「いなとみ修二後援会」と「ふくおか@創造リーグ」。収支報告書を確認したところ、両団体への民主党からの政治資金提供額の内訳は次の通りだ。(全て07年。「いなとみ修二後援会」は『後援会』、「ふくおか@創造リーグは『創造リーグ』と表記する」)
・3月6日・・・ 後援会へ1,000万円。
・ 同日 ・・・ 後援会へ500万円
・3月7日・・・ 創造リーグへ500万円
・3月23日・・・創造リーグへ500万円
・3月30日・・・創造リーグへ250万円
稲富陣営への資金提供額は合計2,750万円となる。
知事選の告示は07年3月22日、投開票は4月8日であり、上記の民主党からの支出は明らかに知事選に向けた政治資金の提供となる。後援会へ計1,500万円が入金された3月6日には、稲富氏本人に推薦料4,000万円も支払われている。同日は、稲富陣営全体として5,500万円もの金を受け入れているのだ。
(つづく)
※記事へのご意見はこちら