依然として旺盛なＭ＆Ａ事業～越智産業

　越智産業(株)の2010年３月期第１四半期（09年４～６月）決算は、売上高が対前年同期比△9.7％の157億6,100万円、営業利益は対前年同期比で△8,200万円損失が増え△２億1,700万円と赤字幅が拡大した。経常損失は△9,300万円と前期から2,000万円損失が改善され、四半期純損失も前期の△8,900万円から△5,300万円に改善されている。
　同社はここ数年期初に大きな焦げ付きが発生する傾向があり、今期もグループ会社の(株)ホームコア（本社：北九州市）が(株)イケガミ（福岡市）に約3,700万円、また本体も大真木材（沖縄県那覇市）に約1,000万円、さらに(株)シンマツ（愛媛県松山市）に約7,600万円などの焦げ付きが発生した。債権額は取引信用保険などで圧縮できる見込みであるが、先述のように新設住宅着工戸数が年率で30％近く落込み、消費不振が増改築分野にまで波及してきているため、今後の不良債権発生が業績の足を引っ張る可能性が高まってきた。
　しかし、同社のＭ＆Ａ攻勢は旺盛である。昨年の(株)松井に続いて、４月29日付けで民事再生法の適用を申請した、佐世保市に本社を置く鈴木木材グループの在来木造プレカット工場および２×４工法プレカット部門を９月１日付で買収（事業譲渡）するなど、高付加価値化を進めている。
　同社は今後も住宅建設需要が低迷すると予測し、上半期（４～９月期）の売上予想を360億円から330億円に△8.3％下方修正した。これにより、営業利益は△1,800万円の△１億5,000万円に、経常利益も△１億5,000万円の2,000万円、四半期純利益は△6,000万円の1,000万円に下方修正した。また、通期（09年４月～2010年３月期）の売上予想も△35億円の705億円、営業利益は△5,000万円の6,000万円、経常利益は△１億1,000万円の３億1,000万円、当期純利益も△5,000万円の１億円に留まる見込みであると、大幅に業績の下方修正を発表した。

【徳島　盛】

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