驚くべきことだが、総選挙で当選した衆議院議員に対し、投・開票日の8月30日と翌31日の2日間のために、8月分の歳費130万1,000円と文書通信交通滞在費100万円が満額支給される。衆院議員480名に対する支払額は約11億円にのぼる。
閣僚ら一部の議員を除き、国会議員としての仕事などしていないにもかかわらず、全額を支払う規定となっているからだ。国会議員の歳費などについて定めた法律(『国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律』)には日割り計算の規定がないうえ、投・開票日も在任期間とされるため、こうしたばかげたことが行われる。
八女市長を4期16年務め、今回の総選挙で初当選した野田国義衆院議員は次のように語る。「驚きました。たった2日間で満額支給は、税金のムダ使いにほかなりません。私が市長を務めてきた八女市はもちろん、地方では市長や議員の実働に合わせて日割り計算するところが当たり前になってきている。これでは国会が一番遅れているのと言われても仕方がない。法律改正も含めて考えるべき問題ですね」。
民主党を中心とする政権が初めに手をつけるべきは、こうしたお手盛り予算ではないだろうか。
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