福岡市総務企画局国際部の海外出張に、新たな文書偽造疑惑が浮上した。
2007年(平成19年)7月17日に旅行(出張)命令が出され、同年7月22日に出発したタイ・インドへの海外出張。アジア文化賞に関するもので、職員3名と同賞実行委員会から1名の計4名が同行した。そのうち、職員2人を含む3名は31日までにバンコク(タイ)から帰福しているのだが、担当課長はひとり、28日から台湾へ移動し翌月3日に13日間の出張を終えている。
この出張に関する公文書の中で問題なのは、出張行程が記された「海外運行スケジュール(タイ・インド)」だ。文書右上に「2008/5/27」とある(下記参照)。公費支出の根拠の一部でもある07年の出張行程を、翌年の08年に作成できるはずがない。本来なら「2007/5/27」となっているはずなのだ。問題の出張行程は、後日新たに作成した文書と見る方が自然。これまで報じてきた、デタラメな公文書の実態や平気で改ざんを行うなどの悪質さからみて、何らかの理由をもって、翌年に作り直した可能性が生じる。文書偽造とのそしりは免れない。
担当課としては「ただの間違い」としたいところだろうが、役所の作る公文書には、支出負担行為の正当性がかかっている。いつ作成したのか分からない文書では、事実を証明することも不可能だし、支出の適正さを担保することもできない。
15日、データマックスの取材に応じた担当課長は、「調査して回答する」としているが、情報公開請求によって入手した一連の海外出張に関する文書について、指摘してきたもの以外にミスや間違い、改ざん等がないか精査することを約して数週間経っている。「見落とした」では済まされない。
杜撰な文書管理が常態化している福岡市の海外出張の中身について、さらに検証を進める。
(つづく)
【市政取材班】
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