゛博多商人の歩いた後には銭が落ちているが、久留米商人の歩いた後にはペンペン草も生えん゛と昔、久留米のある企業の社長が言っていた。博多商人は気前が良くてきっぷも良いが、久留米商人はケチで保守的。催事の時に寄附を求められた場合、博多商人はよそが1万円ならうちは2万円だす、といった心意気を感じさせる人が多いが、久留米商人はよそが1万円ならうちは5千円と控え目に申告し、見栄を張らない。
久留米という保守的な土地柄において、見栄を張る事は目立つ事であり、人と何か違う事をすれば悪い風評を流されたり、叩かれたりするという。事実、昨年暮れから現在にかけて企業を誹謗中傷するビラやハガキも数多く確認されている。
今回の選挙でも福岡6区のほか、福岡7区でも候補者を誹謗中傷するビラなどが配られた。まさに目立てば叩かれる、゛出る杭は打たれる保守的な地域゛なのである。それは、発展を阻害し衰退を招く。
久留米市を中心とする福岡6区、大牟田市を中心とするの同7区の選挙結果を見れば一目瞭然だ。市民の意識の差が大きく出た選挙ではなかっただろうか。たかが選挙でされど選挙。だが、久留米の現状を色濃く反映したものではなかったかと思われる。
福岡に客を取られた、郊外店に客を取られた、そういう時代の流れだから仕方がないと嘆く経営者が多い。だが、町の衰退の根底には繁栄する町の人たちとの意識の差も存在する。
(おわり)
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