異国の街並み・寧波市街
海上大橋の管理公社で会談を終えた我々は、旅の目的地であり、拠点ともなる都市「寧波市」を目指してバスに乗り込んだ。最寄りのインターから高速道路に乗り、市街地へ向かう。
寧波市街へ近づいてくるにつれて、あたりの景色がしだいに農村から移り変わり、建物の割合が増えてきた。やがてバスは最寄りのインターから高速を降り、市街を走り始めた。
時刻はちょうど夕刻、黄昏時である。異国の街並みに、少しずつネオンが灯っていく。しだいに暗くなっていく寧波市街を、自分を含めたツアー参加者一同がバスから興味深げに眺めていた。
主に漢字ばかりで構成された看板。瀟洒な建物と古い建物が混在する街並み。歩道がやたら広く設けられていて、市民がそこでくつろいでいたり、露店が出たりしている。停留所でバスを待つ高校生の姿などは、日本とあまり変わらない。街中の風景を構成する要素は日本と大きく異なっているわけではないのだが、雰囲気がやはり異国のそれだ。
あぁ...、ここはやはり中国なんだ。
昼とは違い、高級店での夕食
そうこうしているうちに、夕食のお店に着いた。夜もやはり中華だ。しかし、昼間と違って今回は高級店っぽいお店だ。いやが上にも期待は高まる。
結論から言えば、なかなか美味であった。夕食のメニューは主にここ寧波地方の郷土料理とのことで、昼の料理とはまた違っていた。印象的だった料理をいくつか挙げてみる。
まずは生の味付きニンニク、これは強烈だった。美味しいのだが、生ならではの風味がスゴイ。翌朝のニオイも気になるところだが、一同ムシャムシャ食べているので、「赤信号、みんなで渡れば・・・」の格言通り、気にせずいただくことにした。紹興酒などの酒のつまみとしては格別だ。
郷土料理ということで、この地方の野菜の蒸し物も出てきた。紅芋やカボチャ、トウモロコシなど。他は美味しくいただけたのだが、ひとつ気にかかった点は、トウモロコシに味がないのだ。これに関しては、この後のツアー中も何度か思ったのだが、中国で食べたトウモロコシには総じて味がなかったように思う。塩気、甘みなどが、日本のものと比べて圧倒的に乏しいのだ。日本産のトウモロコシを中国で売ってやれば、爆発的に売れるのではないだろうか。
他の料理もさまざまだった。総じて美味しかった気はするが、魚介類は淡水魚も多く、人によっては合わないかもしれない。個人的には、ホタテっぽい貝に春雨みたいなものを乗せて焼き上げた料理が絶品だった。あと、炒飯は昼に比べるとちゃんと味があって、大変美味しかった。
5つ星ホテルに宿泊
夕食を終えた我々は、今宵の宿に向かった。寧波市内でもトップレベルの5つ星クラスのホテルといわれる「寧波南苑飯店」が我々の宿泊場所だ。ちなみに、「飯店」というのはホテルを意味する中国語だが、それ以外に文字通り「食堂・レストラン」を指す場合もある。また、「酒家」という言葉も同様にホテルやレストランを指す言葉だ。言葉と対訳がきっちりと決まっていないのが、何とも面白い。
着いたホテルは確かに立派だった。見上げるような高層のホテルで、エントランスもすごくオシャレだ。ロビーで各人の部屋の振り分けやホテル利用全般についての説明があり、各自解散となった。ホテルには少しだが日本語が分かるスタッフもいるというので、大変心強い。
私が宿泊する部屋は11階で、会社の先輩と同室の2人部屋。今回のツアーでは一応我々2人がツアーの事務局を務めているので、いわばここが事務局室だ。...まぁ、宿泊中に特に機能はしなかったのであるが。2人部屋とはいっても部屋の方は思いのほか広く、また清掃も行き届いていてくつろぐには十分過ぎるほどだった。さすが5つ星。
部屋に入った我々は、最初ダラダラとテレビを見たりしてくつろいでいたのだが、気がつけば意識が遠のいて眠りについてしまっていた。やはり、それだけ激動の一日だったようだ。
こうして、ツアー初日は終わった。
【坂田】
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