先月24日、マツモトキヨシHDとローソンが業務提携を発表した。提携の骨子は、以下の通りである。
【1】人的資源の活用
人材交流:両社の社員を相互に出向させ、マツモトキヨシはコンビニエンスストア運営ノウハウを取得するとともに、必要とする商品を供給しドラッグストアとしての販売ノウハウを提供する。一方ローソンは医薬品販売におけるノウハウを取得し、登録販売者の育成、医薬品販売店舗の拡大を目指す。
【2】商品に関する内容
(1)プライベートブランド商品の共同開発:両社にメリットのある一般用医薬品(新業態店舗用の商品)・化粧品・日用品の3つのカテゴリーを中心に、価格弾力性の高い商品と付加価値のある高品質な専門性に優れた商品を開発し、双方の店舗で販売する。
(2)ナショナルブランド商品、各社の既存プライベートブランド商品を相互補完し、物流体制を共同活用して商品調達コストメリットの最大化を図る。
【3】新業態店舗の展開に関する内容
(1)新業態店舗の開発:双方のノウハウを結集し、OTC医薬品の販売やカウンセリングサービスを提供する、新たな業態の店舗を展開する。
(2)新業態の店舗事業を目的とした合弁会社の設立:合弁会社を設立することで、早期に多店舗展開を実現する、としている。
今まではドラッグストア同士、コンビニ同士の戦いであった。しかし、改正薬事法により大衆薬販売が規制緩和され、第三類医薬品がコンビニで販売できるようになったことから、ドラッグストアとコンビニとが同床異夢での提携に踏み切ったものである。沈黙を守っている業界一位のセブンイレブンを始めとするコンビニ業界大手が、どのドラッグチェーングループと組むのか、その去就が注目されている。
【北山 譲】
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