中国の朝
夜が明けた。さすが5つ星ホテルだけあって、ベッドの寝心地も上々。とても気持ちのいい目覚めとなった。
ホテルの朝食は、バイキング形式。中華ももちろんあるが、洋食から和食まで料理はさまざまだ。昨日の立て続けの中華に辟易していた私には、この朝食は実に美味しく感じられた。
朝食を終えた後、本日の出発集合時間までのあいだ、ホテルの周りを少しだけ散歩してみた。昨夜雨でも降ったのか、若干濡れた地面。とりあえず今降っていないのが何よりだ。
ちょうど通勤・通学の時間帯なのか、道路は人・車・二輪車で溢れていた。中国というと自転車のイメージが強いが、その通りだった。しかし、どうも最近では人力の自転車より、電動の自転車の方が多いようだ。ペダルが付いた電動スクーターのようなものが、街中をスイスイ走っている。これが何とも曲者だ。自転車であるから歩道を走っているし、エンジンと違い電動なのでほとんど無音なのである。非常に危険だ。実際、歩道で後ろから来た電動自転車に轢かれそうになり、少し肝を冷やす場面もあった。
こうして、しばらくホテル周りを散策してみた。目覚めが良かったせいか、実に爽やかな散歩となった。異国の街の朝もいいものである。
なお、ホテルの周りには公園のような広場が見当たらず、「太極拳」をやっている光景に出会えなかったことは残念だった。
唯一の観光、「天一閣」
ホテルを出発した我々は本日初めの視察箇所として、寧波市内にある「天一閣」という場所へやってきた。実はここが今回のツアーにおける、唯一の観光スポットなのだ。
ここは、中国最古の蔵書庫で、中国古代史に関係する貴重で重要な文献が多く保管されているという。蔵書庫とはいっても、その建物や庭園は非常に凝った造りをしており、それだけでも見る価値があるものだそうだ。
園内には途中、ここで飼われていると思われる九官鳥がいた。ツアー参加者が言葉を喋らせようと話しかけるも、日本語を喋ってはくれなかった。その代わり、口を開くと「ォホホホホホホッ」と若い女性の声で笑ったり、何やら分からない中国語を喋ってくれたりした。中国語を話す九官鳥、ちょっと新鮮だった。
実は我々が訪れているこの寧波は、麻雀の発祥の地ともいわれているという。ここ天一閣内には、「麻将起源地陳列館」という、麻雀の博物館もあった。そこには、象牙や牛骨・石・竹・木などで作られた世界各地の麻雀牌が展示されていたり、麻雀牌をかたどった敷石・オブジェなどがあった。なかでもツアー参加者の目を引いていたのが、「弁髪の中国人」、「髭の西洋人」、そして「チョンマゲの日本人」の3者が麻雀卓を囲む銅像だ。卓の1カ所だけは空いているので、各々そこに陣取って記念撮影をしていた。なお、日本人の銅像のチョンマゲ部分は、数々の観光客が触っていくのだろう、非常に磨かれてピカピカしていた。
さて、束の間の観光はここで終わり。次は、躍進著しい、寧波の港の視察に向かう。
【坂田】
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