延宝元年(1673年)に福岡・博多で創業し、鶏卵素麺(けいらんそうめん)で有名な和菓子の老舗「松屋菓子舗」が昨年末に、大原学園を展開する大原キャリアスタッフ九州に本店の不動産を売却した。
当時はいろいろな憶測が流れたが、次なる展開を見据えた判断だったようだ。
「当社の建物は50年経っており建て替えの時期に来ていた。大原学園の隣接地で、同校がどうしても欲しいと言っていたが迷った。しかし、福岡の不動産価格が下落する一方であること、また必ずしも本社を現在の場所ではなく、むしろ博多駅周辺に置いたほうが次の戦略を練りやすいことから売却を決意した」と松江社長は語る。
同社はすでに新商品の開発も進めており、今後は百貨店での販売をさらに強化していく方針。「ただ、いまの場所にもなじみのお客様がいるから、最後まで誠意は尽くしたい」(松江社長)ことから、すぐに移転するわけではなく、新博多駅ビル完成に合わせる見込み。
老舗ののれんと味を守るため、あえて50年来の土地を離れて同社は新たな挑戦をするようだ。
【大根田】
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