8月30日の総選挙で歴史的大勝を果たし、9月16日に鳩山政権が誕生した。我が国のまつりごとの舵取りを行うのは事実上民主党になった。期待と不安が入り交じった各業界からのコメントが連日マスコミを賑わせている。
「コンクリートより人々の生活にお金を配分する」という姿勢の民主党。各地の公共工事の中止や凍結などが発生するであろう。そのような中、コンクリートと密接な関係にある社団法人セメント協会会長の渡邊 穰氏が8月31日に発表した談話『民主党政権への期待と要望』を改めて掲載する。
民主党政権への期待と要望
政権の行方を判断する衆議院選挙が終わり、国民は民主党を中心とする政権に我が国の舵取りを任せることを選択した。
セメント協会としても、民主党が選挙中に主張されたことやマニフェストに示されている点については、期待する部分や気懸かり部分が共存している。民主党の主張には、政治家主導、地域主権など長年の懸案処理、社会を変えていく主張があり、現在の閉塞状況から抜け出せるとの期待を持てる部分がある。一方で、政権を担う意気込みから理論・概念先行気味で地に足をついたところまで煮詰まっていない部分も見受けられる。
民主党におかれては、今回談話という形で発表した当協会の意見について耳を傾けていただくとともに、政策のあるべき姿や具体的な内容を広く国民に示し、国民全体を巻き込む議論を重ねながら、活力ある日本を建設するための政治を展開されることを期待したい。
既に序節で、苦悩と危機感が読み取れることができる。(つづく)
【河原 清明】
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