投開票まで残り3日。選挙活動ができるのは、この日を合わせて2日となった。できることはあまりない。駅立ちもこの日が最後となった。選挙前日が土曜日で、通勤・通学に電車を利用する人が少なくなるからだ。したがって、内務による折り込み作業も終了した。
若者ボランティアたちによる自転車行脚に、これまで内務だった女性ボランティアたちも加わるようになった。B氏の指示のもと、チームが編成される。女性人も加わったことで勢いがついた。自転車部隊は、ますますがむしゃらに選挙区を駆け回る。
一方、内務はというと、事務所の整理にあたった。時が迫ってきている証拠だ。これまでの選挙活動スタイルから、開票の際に集まる支援者や報道関係者を迎えるための舞台へと改装する。事務机は必要最小限にし、ビラ、リーフレット、マニフェストなどを片っぱしから整頓していく。これまでのホコリっぽい、書類が乱雑に置いてある事務所から、こざっぱりとした事務所へと変わっていった。
その一方で電話部隊は、支援者に、本当に最後の訴えをしていた。支援者に感謝の言葉とさらなる応援のお願いをする。名簿の残りが少なくなって、時間の経過を知る。さぁ、いよいよ近づいてきたぞ。電話部隊も気を引き締めなおし、最後の最後まで尽力する構えを見せる。
夕方になると自転車部隊が戻ってきた。真っ黒に日焼けした顔に白い歯が輝く。
「自分たちは精一杯やっている」
自信に満ち溢れた表情だ。県議会議員の岸本善成氏も、自転車部隊にリーダーとして馳せ参じ、各地で声を枯らせて街宣を行なった。
真夏の太陽のもと、汗だくになりながら、何十キロという距離を走り続ける。そして、辻々で大きな声を張る。メガホンがなくても地声で訴える。とても簡単なことではない。その人にはできないことをやっているという自信が、勝てるという確信へと近づけていくのだ。
自転車部隊は、疲れた体を一時休めた後、三々五々帰宅の途についた。そして、夜もとっぷりとふけ、残すところ活動できる日はあと1日となった。
【柳 茂嘉】
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