「今後工場の集約化は不可欠になってくるでしょう。我が国の生コン工場は1社1工場というモデルが多数を占めています。集約化するに当たって工場集約化の論理や理念は理解しているもののいざ“やりましょう”と言ったときには手を挙げないケースが見られます。“先代から受け継いだ工場を閉めたくない”などという感情的な理由で一歩踏み出せないのです。集約化によって全てを失ってしまうという考えに偏りがちです。そうではなく、地域内で協業することによって、会社間でそれぞれに見合った利益を分かち合おうということを前提とする集約化です」と語るのは九州のある有力生コン工場代表。
また福岡のある生コン工場代表は「将来像として生コン工場は個別経営から協同組合経営型という仕入・製造・輸送・品質管理の業務を協業化して、協同組合のスケールメリットを生かした工場経営を行なっていくことが生コン業界の生き残っていく方策の一つであると信じております。それが工場の集約化であります。極端に申しますと、1社に対し30そして40工場体制という考え方です。いきなりこのやり方では難しいですから、ひとつずつ段階を経て集約化を実践することです。まずは地域近隣での工場の集約化です」
今後、生コン市場の飛躍的な発展は望めないであろう。だからこそ再三述べているように、金銭的コスト負担が極力少ない工場の集約化から実施することを前提に、各地区の協組内で話を進めていかねばならないと改めて痛感した。
工場集約化は多種多様である。生コン工場経営者の皆様には、集約化に対して柔軟性を持って取り組み、生コン業界を再生して戴きたい。
【河原 清明】
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