全国最年少(当時)で福岡県八女市の市長に就任し４期16年。改革派として知られる野田国義氏が国会デビューを果たした。総選挙で民主党が歴史的躍進を遂げ、政権交代を実現させた。鳩山政権は上々の滑り出しを見せているが、永田町は落ち着かないらしい。新人議員大量当選でどのような影響が出ているか聞いた。

議員宿舎が足りない！

　新人議員の大量当選で混乱する状況からは、永田町の別の側面が見えてくる。野田氏の話は実に興味深いものだった。
　「議員宿舎が足りないんですよ。私の宿舎も決まっていない。赤坂の議員宿舎は300人が入居できますが、衆議院に割り当てられた宿舎はそれだけに過ぎないんです。青山にも宿舎がありますが、ほとんど使われておらず、廃墟同然。リニューアルするしかない状態でした。党のほうで、空きがあるという参議院の清水谷宿舎の使用を申し入れるという話があったので、見に行きましたが、怒られてしまいました（笑）。勝手なことされては困ると言うんですね。来年の参院選で民主党議員が増えた場合、参院の宿舎も足りなくなるかもしれないというんです。地方の民主党新人議員は、東京にマンションや一軒家を構える余裕がない人ばかり。ギリギリのところで政治活動を続けています。当然議員宿舎入居組ばかりとなるため、こうした状況を招いてしまったんですね。自民党議員が多数を占めていたこれまででは、考えられなかったことなんでしょう」。
　25日現在、野田氏の議員宿舎はまだ決まっていないという。元職らの宿舎を先に決めたため、新人議員についての宿舎割り当ては後回しになっているという。

　豪華過ぎるとして批判を浴びてきた赤坂の衆院議員宿舎は、有権者の批判を恐れた議員たちに敬遠され、空室ばかりという時期があった。政権交代という華々しい話題に隠れた形だが、議員宿舎の豪華さには野田氏も驚いたという。
　「不動産相場で言うなら、月40万円以上の家賃になるそうですが、それが９万円ちょっとで入居できます。国民の目からは『議員特権』にしか映らない。国会は変わらなければならない、と思いますね」。話しながら、野田氏の表情が厳しくなった。

（つづく）

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