スチール屋根工事を得意とする(株)川口スチール工業は、これまでのガラス基板使用の太陽光発電システムに比べて「薄い」「軽い」「曲面設置の自由性」などの特徴を持つスチール屋根材、屋根との一体型太陽光発電システムを開発、販売を開始した。
川口スチール工業は1993年に設立された、建築板金工事・金属工事・屋根外壁工事を主力とする地場企業。代表の川口信弘社長は、パイオニア精神旺盛な経営者としても有名である。この川口社長が今回開発したのが、超軽量・薄型の太陽光発電システム。同社はもともとスチール屋根工事を専門としているが、川口社長がスチール屋根工事で培ったノウハウを活かして開発した。超軽量化により、工場・倉庫・公共施設・学校・体育館・ショッピングセンターなど、今までは強度上の問題から太陽電池設置が難しかった施設でも強度補強や取り付け架台なしに太陽電池が設置できるとしている。
本システムは、使用する太陽電池にプラスチックフィルムを基板に用いたフィルム型アモルファス太陽電池を採用している。その特徴は、モジュール単体の厚さがわずか1mm(フィルム0.1mm、太陽電池0.1mm、フッソ粗鋼板0.8mm)。従来のガラス基板を使 用した太陽電池に比べて重量で約10分の1。建物への荷重負担が少なく、大面積化に対応できる。このモジュールを屋根や外壁に応じて同社独自の加工を行なう。・薄いフィルム状で屋根や外壁への曲面設置など、取り付けの自由度が飛躍的に向上。設置する状況や用途に応じて最適なかたちで導入できる。また、工場や倉庫屋根に使用される長尺折板・波型スレート屋根材にも設置可能で、フィルム型アモルファス太陽電池を鋼板に設置した一体型太陽電池を、同社開発の軽量専用金具で既存の屋根にビス穴を開けずに設置できる、としている。
川口社長は、この太陽光発電システムを産業用工場・倉庫、公共施設向けに初年度2 億円の売上高を見込む。また、今後の販売に関しては、エリア毎の代理店を構築して全国販売していく、としている。また、企業が所有する建物の屋根賃借方式のモデル(下図)を構築中で、近々提案ベースとする方針。
「地球温暖化防止への技術開発、商品開発はまだまだこれから。自然環境に直接さらされる、得意の屋根工事の分野から貢献できるよう、その一翼を担える働きをしたい」と、川口社長は意欲を見せてくれた。
【中尾】
(株)川口スチール工業
代表者:川口 信弘
所在地:佐賀県鳥栖市原町760-6
URL:http://www.steel-k.com/
TEL:0942-83-6331
FAX:0942-85-2612
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