(22)野生の王国(1)
アフリカといえば動物、というイメージを持っている人は多いのではないだろうか。テレビのドキュメンタリーで見るような、ライオンやゾウと一緒に生活しているのでは?と思っている人もいるだろう。しかし、実際そのような動物は保護区にいるので、普段の生活のなかで野生の動物を見かける機会はそう多くない。
ニジェールで国道1号線といわれる、東へ向かう唯一の国道を走っていると、「私たちは西アフリカで生息する最後のキリンです」という看板がある。そこに行けば野生のキリンを見ることができ、入場料3,500Fcfa(フランセーファー:日本円で約700円)を払って保護区に入り見学する。入場料さえ払えばなかに入ることができるのだが、そこから素人の旅行者が独力でキリンを探すことは少々難しい。よって、多くの人々が、管理事務所にいるガイドを雇うことになる。
ガイドはキリンがどこにいるのか分かるようで、ガイドの指示に従って草むらのなかを車で15分ほど走っているとキリンの群れに遭遇する。1、2頭だけでも興奮するのだが、10頭近くが1つの木の葉を食べているのを見ると、もはや圧巻である。保護区には何十頭ものキリンが生息している。ガイドなしでも見ることはできるのだが、ガイドがいた方が話は早い。ちなみにガイドを雇っても一頭も見れないときもあるが、その場合はガイド代を払う必要はない。
国道1号線を走っていると、ときどき道を横切るキリンを目撃する。タダでキリンを見ることができると、ちょっと得した気分になる。ちなみに、ニジェール人もそれなりには反応するのだが、我々日本人と比べるとあまり興味はないようである。
ニジェールには、世界自然遺産に指定された国立公園が2つある。1つは北部の砂漠地帯、もう1つはニジェールの西の国境沿いにある「W国立公園」である。ニジェール川がWの形に蛇行していることから、この名前が付いたという。ライオンやゾウ、ガゼル、ワニなど、様々な動物を観察することができる。野生動物を見るのに適した季節は気候の涼しい12月から1月ぐらい。
昨年12月30日から1月1日までの2泊3日、私と仲間たちはW国立公園ツアーを企画した。
~つづく~
【廣瀬】
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