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広告業界、生き残りの道は?(2)
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2009年9月 8日 08:00

~メディアの売上ダウンが、そのまま広告会社の収益を直撃

 まず、広告業界について簡単にレクチャーしておこう。
 日本の広告会社は長く「広告代理店」と呼ばれ、代理店としてメディアスペースをクライアントに販売し、その販売マージンを収益の主体としている。
 例えば、クライアントA社がBテレビ局のゴールデンタイムに1本100万円でCMを打ったとしよう。そのマージンが20%とすると、広告会社Cは20万円の収入を得ることになる。

 ここで、キー局の今期の売上数字を見てみよう。

【表2】在京キー局の業績

 キー4局合計の売上は5%ダウンだが、経常利益の合計を見ると37%もダウンしていることが分る。これはつまり、メディアを安売りして「かさ」は上げたが、収益を落としていることを意味する。
 これは、広告会社の収益も直撃する。メディア各社の売上ダウン以上に、広告会社へのマージン率が下げられ、これまで広告会社の収益の柱であったマスメディア、とくにテレビ広告からの収入が大きく落ち込む結果となっている。
 インターネットや携帯電話を通じたメディア・広告が伸びているのに対し、テレビは善戦していたと言えるものの、新聞、雑誌、ラジオなど従来型メディアはこの数年落ち込みが激しくなっている。加えて、昨年来の世界的不況は、この世の春を謳歌してきたテレビ局でさえ、日本のクライアントからの大きな広告離れに晒されている。
 メディア利権に依拠してきた電通、博報堂など大手広告会社は、従来型メディアからネットや携帯電話など新しいメディアへの多様化と、不況による大幅予算カットにその存在基盤を揺さぶられている。

(つづく)

【松尾 潤二】


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