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特別取材

鳩山民主党政権誕生に向けて(3) [副島隆彦の学問道場]
特別取材
2009年9月 4日 08:00

 再び書く。今のこの急激な日本国民の意識の大変化、すなわち「日本は本気で変わらなければならない。このままではじり貧だ。何とかするぞ」という気分を生みだしたのは、まさしく小沢一郎その人である。小沢がいなければ、日本人はこうは急には変われない。
 アメリカの失敗は、この3月3日、日本の検察を使って小沢一郎を逮捕し、汚職政治家として葬り去ることに失敗したことである。アメリカの日本管理、日本統制は、あの時大敗北した。小沢は、あの西松建設の献金問題・小沢秘書の有無を言わぬ電撃逮捕に対して、即座に反応して対決して「この逮捕は、不正な警察・検察権力の行使である」と反撃に出た。
 あれが良かった。日本国民の多くが、あの時真実を知った。自分たちの本当の指導者が、今、危機に瀕していると分かって心配した。その心配と憂慮が小沢を救った。小沢一郎とその側近たちの苦労(それは、鳩山由紀夫、岡田克也、菅直人、山岡賢二、輿石東、石井一ら民主党の執行部のすべて)と粘り強い闘いが、我らが民主党を守り抜いた。
 あの3月の、小沢一郎への汚職・犯罪者仕立て上げの攻撃の謀略を仕掛けたアメリカは、あのあと「タオルを投げた」のである。アメリカの策略は失敗したのである。私は、この「アメリカ(の日本あやつり対策班=ジャパン・ハンドラーズ)は、あの3月に、日本管理上の大失敗を犯した。アメリカはタオルを投げた」という情報を、3月の事件の直後に、謀略を仕掛けた検察特捜・法務省・警察庁の漆間巌(官房副長官)らアメリカの手先たちが、自分たちの悪事を暴かれて右往左往しているさなかに、アメリカ(ワシントンDC)中枢からの情報として知った。 
 あのとき、「アメリカがタオルを投げた」ということは、「日本はもう、自分たちの言うことは聞かなくなった。小沢一郎らを抑え込むことに自分たちは失敗した。だから、少なくともしばらくは、もう自分たちの手には負えない」と判断した。 
 最高度でこの判断をしたのは、ジョゼフ・ナイ・ハーヴァード大学教授(政治学)である。ジョゼフ・ナイは、新任の駐日アメリカ大使として、赴任することになっていた。
 「(属国群には)ソフト(な)パワー(を行使せよ)」論である「ソフト・パワー」論のジョゼフ・ナイは、心底、悪辣な人間である。ナイは、「自分が日本に赴任する前に、小沢一郎を片づけておけ」と、CIA(米中央情報部)の対日本の謀略部隊(破壊工作員たち)に命令を下していた。それに失敗した。
 だからナイは、急に、日本に来る気が無くなった。それがはっきりしたのは4月26日の、東京のホテル・オークラで開かれた「米欧日三極委員会」の東京大会(の裏の決議事項)である。「私はもう、日本には来ない。どうも私の配下の者たちが、小沢潰しに失敗した」と、朝日新聞の主筆(編集権を握る役員待遇)の、船橋洋一(こいつが、朝日新聞をこの10年間でおかしくした張本人)に伝えたのである。
 実質の日本国王(民族指導者)である小沢一郎は、あの時勝った。単に、検察・法務省・警察官僚たちからの攻撃に勝っただけでなく、日本国内に蠢く、恐ろしい売国奴勢力のすべてに対して勝った。あの時小沢を守ったのは、まさしく私たち日本国民である。
 それは、さらにその1年前の「小沢の代表辞任、続投」の騒ぎのときにもあった。一国の民主政治の否定である「大連立」(大政翼賛会の政治)など小沢が言うわけがないのだ。
 それを、アメリカがあの時も裏から謀略を仕掛けて、ナベツネや森喜朗のような政治家を使って「逆らうと、小沢、お前を検察に逮捕させるぞ」と脅して、騙そうとした。小沢はあそこでも耐え抜いて危機を脱している。
 小沢一郎から見れば、今の麻生太郎首相などは、文字通り「チンピラ政治家」にしか見えない。小泉純一郎も、おのれの欲我のために平気で国民をひどい目に合わせる変質者にしか見えない。
 だから、3月の小沢攻撃に失敗したときに、アメリカは早くもタオルを投げたのである。アメリカという、「後ろ盾」、「大後方」を失った日本国内のアメリカの手先(ポチ公)どもの、このあとのうろたえ方は激しいものだった。そうやって、この4~7月が過ぎたのである。
 小沢の土俵際での粘り勝ちは、並大抵のものではなかった。あれこそは横綱相撲だ。相手とがっぷり四つになって、そしてぐいぐいと相手を押し返して、そのまま押し相撲で、静かに正攻法で押して、土俵を割らせた。相手を投げ飛ばすのは上の策ではない。静かに押し出すのが一番、すばらしい勝ち方だ。それがまさしく投票結果である。それはまさしく日本国民の勝利である。
 このあと私たちは、鳩山新政権に何を期待すべきか。それは、今日はもう書かない。私が今日、なんとしても皆さんに伝えたいことは、この民主党政権を、最低これからの2年間は、保たせなければならないということだ。最低2年、できれば3年、何があってもこの清廉潔白の日本民主党の政権を持続させることだ。
 そうすれば、今やゴロツキ集団である自民党は瓦解する。ばらばらに分裂する。まともな保守勢力(経営者・資産家たちのための政党)という別の政党ができる。それで、健全な日本の二大政党体制が出来る。今の自民党のなかにも、少数だが、すぐれた見識と練達の保守政治家が残っている。
 この人たちには、これまでの竹下登型のゴロツキ政治家たちではない、真っ当な保守政党を作ってほしい。あるいは中曽根康弘のような、気持ちの悪い、「自分だけぬくぬく主義者」のような悪魔政治家も消滅するべきだ。中曽根康弘が死んでも誰も悲しまない。葬式にも誰も行かないだろう。国葬になど誰もしない。自分だけが大好きな強欲人間だ。 
 だから、企業経営の厳しさ知っている、本物の企業経営者たちの現実と願いを反映する勢力である保守政党がこのあとできるべきだ。金持ち(資産家)と経営者を代表する、良識ある新しい保守政党が日本に今からできるべきだ。
 小沢一郎は、労働組合と、今やすっかりやせ細った貧しい日本国民を食べさせると約束して、自ら野に下った本当の苦労人だ。これ以上は書かない。彼は、そういう、金持ちと貧乏人層の実在の不可避性という、現実政治のすべても知り尽くしている国民政治家だ。真の民族主義政治家・田中角栄の直系の愛弟子だ。
 私、副島隆彦の先生の小室直樹先生だけが、あのロッキード事件の謀略政治で倒されていった田中角栄を、言論人・知識人としてただひとり、ずっと応援しつづけた。私はこの系譜につながる知識人だから、当然、今の小沢一郎を支援しつづける資格を持っている。

(つづく)

副島 隆彦【そえじま・たかひこ】氏
1953年5月1日、福岡市生まれ。早稲田大学法学部卒業。銀行員、代々木ゼミナール講師を経て、現在は常葉学園大学教授。政治思想、法制度論、経済分析、社会時事評論などの分野で、評論家として活動。著書に『時代を見通す力』(PHP研究所刊)、『恐慌前夜』(祥文社刊)、『暴走する国家、恐慌化する世界』(佐藤優氏との共著、日本文芸社刊)ほか多数。日米の財界、シンクタンクなどに独自の情報源を持ち、日本人初の「民間人・国家戦略家」として、日本は国家として独自の国家戦略を持つべきだ、と主張している。副島国家戦略研究所(SNSI)主宰。

副島隆彦の「学問道場」
http://www.soejima.to/

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