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消えた税金1900万 稲富氏側説明の虚構(2)
社会
2009年9月10日 08:00

 衆院福岡2区で当選した稲富修二氏による07年知事選での選挙余剰金問題。稲富氏と古賀友行・元選対本部長による「古賀元選対本部長が推薦料4,000万円のうち、1,900万円の余剰金を預かって、さらに財界人に預けた」との説明が虚構であることを検証していくが、改めて失われた1,900万円が『税金』であることの確認をしておきたい。

 稲富氏本人が、民主党福岡県連から4,000万円を受領したのは07年3月6日である。稲富氏の「選挙運動費用収支報告書」や民主党県連の政治資金収支報告書の記載内容は、稲富氏発行の領収書で確認できる(下記、領収書写し参照)。その原資となったのは、同5日に民主党本部から県連に交付金として入金された5,000万円と見られる。民主党本部の収支報告書(下記参照)や政党交付金使途報告書から証明がつくのだが、稲富氏に渡った4,000万円は明らかに『税金』だったのである。

 昨日報じた稲富氏側の政治団体「いなとみ修二後援会」と「ふくおか@創造リーグ」への民主党からの寄附が2,750万円。稲富氏本人への推薦料4,000万円と合わせ総計6,750万円もの政治資金が稲富氏の知事選に支出されたわけで、大半の金が『税金』だったということになろう。だからこそ、今回の余剰金問題を闇に葬ってはいけないのだ。前置きが長くなったが、検証をつづける。

 稲富陣営の知事選に向けての収支報告書上、知事選終了時点での両政治団体の残金は1,600万円余りとなっている。そのほとんどが「ふくおか@創造リーグ」(以下、創造リーグ)に残されていた。正確な残金額は15,882,325円である。知事選が行われたのは07年4月、その年の秋には稲富氏の福岡2区での擁立が決まっている。この間、創造リーグの政治資金に動きはない。なぜなら創造リーグは「知事選用」の政治団体で、その規約の目的欄には『本会は、稲富修二氏を支援することにより福岡県政の発展と住民福祉の向上を図り…以下略…』と明記してあるのだ。国政選挙に向けての活動に、創造リーグから支出するのは無理があったと考えられる。

 しかし、「いなとみ修二後援会」に対しては、同年8月に「故人献金」で問題になっている鳩山民主党代表の資金管理団体『友愛政経懇話会』から200万円、12月には民主党本部から同じく200万円が入金されている。翌年への繰越金額が60万円程度となっていることから、全く政治活動をしていなかったわけではないことが分かる。擁立決定からの稲富氏は福岡2区での活動を活発化させていく。後援会の主たる事務所も、同年10月31日付けで旧選挙区11区の行橋市から福岡2区内に移されていた。金はいくらあっても足りなかったのである。

民主党本部から同党福岡県連への支出の証明 この金が稲富氏の推薦料の原資と見られる。 稲富氏領収書

(つづく)

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