民主党の政権公約（マニフェスト）を見ると、ガソリン税などの暫定税率廃止と、高速道路無料化を公約している。工程表によれば、４年後の平成25年度の所要額として、暫定税率廃止に2.５兆円、高速無料化に1.３兆円と試算している。この試算が正しいとすれば、暫定税率を廃止しなければ、高速無料化の財源が賄えるだけではなく、現在40兆円といわれる高速道の借金も早めに返せる筈だ。
　我が国のガソリン税などの税率は、米国にくらべれば高いが、欧州の平均よりは安い。ほぼ全量を輸入に頼っている石油資源の節約を考えれば、妥当な税率ではないだろうか。
　一方、高速道は欧米が殆ど無料なのに比べて、我が国はべらぼうに高い。無料化による高速道の渋滞を心配する向きもあるが、人口減などで車の総量は増えないので、一般道の渋滞と事故が減り、燃費や保険料の低下が見込めるばかりか、物流コストの大幅な低下により、企業の国際競争力が強くなるであろう。
　よって、暫定税率廃止より高速道路無料化を優先させる方が良いのではないだろうか。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

【篠田　栄太郎（福岡市中央区在住）】

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