福岡2区で当選した稲富修二氏陣営による政治資金流用疑惑が、拡大の一途をたどっている。
07年の福岡県知事選における民主党から稲富氏への推薦料4,000万円のうち、選挙余剰金1,900万円が使途不明となっていたが、昨日報じたように、稲富氏の支援団体だった「ふくおか@創造リーグ」(以下、創造リーグ)においても、1,600万円余りの金が一時的になくなっていたことが判明した。完全に消えた1,900万円と含め、3,500万円が流用されていたことになる。
創造リーグの知事選終了時の残資金は約1,600万円。十分な資金を有しながら、福岡市内の業者に約1,200万円の「ポスター、ハガキ等の企画制作費」を支払うのはなぜか9か月後となる。稲富氏は、07年秋に民主党福岡2区の衆院候補となるが、自身の事務所では「金がない」が口癖だったという。
取材班は、知事選のために作られた創造リーグは、知事選終了と同時に事実上の活動を休止していたとの証言を得ている。稲富氏の政治活動は、「民主党福岡県第2区総支部」や資金管理団体でもある「いなとみ修二後援会」によって展開されていたのである。
こうした事実は、選挙余剰金1,900万円や、創造リーグが保有していたはずの1,600万円が「なかった」ことを裏付けるものだ。
1,600万円の金は、一時的に流用され、知事選翌年の08年に稲富氏側に戻された。戻った金で支払いを行ったのである。
疑惑の団体「ふくおか@創造リーグ」は同年9月、県選管に突然解散届けを提出する。しかし、提出された「政治団体解散届」によれば、実際の解散日は「4月21日」となっている。政治団体の解散にあたっては、30日以内に選管に届け出ることとされており、ここでも稲富陣営はルール違反を犯したことになる。なぜこうした不自然な操作が行われたのだろう?
(つづく)
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