稲富氏の支援団体「ふくおか@創造リーグ」は、07年の知事選で『確認団体』(注・『確認団体制度』とは、知事選、市長選や参院選などで、通常なら禁止される選挙期間中の政党又は政治団体による政治活動が、届け出された団体だけに一定の範囲で政治活動を認めるもの)となる。立候補時に確認団体として届け出れば、政治活動用自動車による街宣活動(ほぼ選挙カーと同じ使用法がなされる)や、政策宣伝用ビラ(候補者を類推する文言は禁止)の頒布などが認められる。吉田宏福岡市長の場合、市長選挙の時の確認団体は「ふくおかFUNクラブ」である。
06年の福岡市長選挙、07年の福岡県知事選挙、それぞれの確認団体への民主党からの政治資金提供額は約2,700万円でほぼ一致する。市長選時は「古賀友行後援会」を迂回させ1,000万円。知事選では「いなとみ修二後援会」を迂回させ1,500万円が動いた。そして、民主党からの政治資金の大半は、福岡市内のある業者への支払いに充当された形で費消されるのである。(領収書、参照)
2度の選挙における、福岡市中央区に本社を置く業者が発行した領収書の写しをご覧いただきたい。知事選時「ふくおか@創造リーグ」の業者への支払い額は12,355,611円。福岡市長選の時は35,719,543円にのぼる。いずれも印刷費や企画費とされるが、この業者への支払いが選挙に関する事実上の最後の支払いとなっている。確認団体を使った政治資金流用の構図が見えてきた。
(次週につづく)
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