福岡2区選出の衆院議員・稲富修二氏陣営による、07年福岡県知事選における政治資金流用金額は、約4,000万円にのぼることが明らかとなった。このうち約2,000万円は、知事選から9か月後に稲富氏側に戻され、業者への支払いに充てられていたことが確認された。しかし、選挙の余剰金1,900万円については、いまだに藪の中である。
先週判明したのは、昨年1月の約2,000万円に及ぶ福岡市中央区の業者への支払いである。収支報告書で判明している「福岡@創造リーグ」(以下、創造リーグ)による約1,200万円の支払額を除けば、700万円前後が稲富氏の資金管理団体「いなとみ修二後援会」による支払い分ということになる。そうなると「いなとみ修二後援会」は、昨年1月の支払い時までに、700万円前後の収入が必要となる。なぜなら、知事選が行われた07年12月末の同後援会の残金は、50万円程度だからだ。
創造リーグの場合、昨年4月に解散しており、解散届提出時の収支報告書で金の流れが明らかとなっていたが、「いなとみ修二後援会」の収支報告書が福岡県選管で公開されるのは今月30日の予定。どのような内容となっているのか注目される。
稲富陣営による政治資金流用の実態について、さまざまな証言が寄せられ始めている。「本当に金はなかった。余分な資金があれば、すぐに使っていたはず」とするものから、「稲富さんは全てを知っている」「稲富氏も余剰金の一部を保有していた」という具体的な指摘ばかりだ。
知事選の折、稲富陣営の選対本部長を務めた古賀友行元県議による選挙余剰金1,900万円の不適切な処理と、常識はずれの釈明について、取材で得た証言を交えて検証をつづけていく。
つづく