データ・マックスでは九電工グループ研究の連載を開始する。
なぜ九電工グループなのか、ここでその理由を簡単に説明しておきたい。
ご存知のように九電工は福岡を代表する設備工事業者であり、東証1部、福証に上場する地場大手企業だが、同社を一般的な地場の大手工事業者と同列に論じることはできない。親会社は九州を事業領域とする電力会社の九州電力。ともに福岡経済界を実質的に取り仕切っている七社会のメンバーでもある。九電工会長の河部浩幸氏は、福岡商工会議所会頭でもあり、九州商工会議所連合会会長および日本商工会議所副会頭の要職も務めている。
大阪の設備工事業者であるきんでんも、親会社は関西地区を事業領域とする関西電力。九電工、きんでんとも地域の電力会社を親会社とする点は同じだが、地域特性を考えた場合、九電工の九州地区での影響力は、きんでんの関西地区でのそれを大きく上回る。九州地区の設備工事業者としては突出した力を持つ存在だ。
力を持ちすぎたためか、最近ではコンプライアンス違反が目に余るようになってきた。フィリピン政府当局者への利益供与疑惑、キヤノン発注工事に絡む裏金疑惑などは記憶に新しい。
同社の影響力は強大だが、それは同時に同社の病根の深さも物語っているのではないか。今回の連載で、九電工グループの実態を解明していく。
【特別取材班】
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