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上場企業を斬る

九電工グループとはどんな企業体なのか?(1)
上場企業を斬る
2009年10月 1日 13:02

 (株)九電工(以下「同社」)は福岡市南区那の川に本社を構える電気設備等工事業者である。設立は終戦間際の1944年12月。当時の軍需省から発せられた電気工事業整備要綱に基づき、(株)営電社ほか九州の主要電気工事業者13社が統合してできた九州電気工事(株)をその礎とする。その後、統合を繰り返し、今でも事業の柱の1つである配電工事の委託契約を九州電力(当時は九州配電㈱)と交わしたのが、戦後間もない47年6月のこと。

 以降は、配電工事から電気工事、空調工事、水処理工事などにも進出し、関連会社を次々と設立していく。主だったものとしては、発電施設などにかかわる建設工事部門を担う㈱九建(53年7月)、電気・空調管工事用資材などを販売する㈱昭電社(54年6月)、不動産の売買や賃貸仲介などを扱いベンタナヒルズでも有名な九州電工ホーム㈱(72年2月)、リース業を営む(株)キューコーリースなどが挙げられよう。
 68年12月に大証2部および福証に株式を上場し、現在では東証1部および福証に上場している。なお、現商号である㈱九電工に改められたのは89年12月のことだ。

 資本金79億188万円。大株主には九州電力(26.85%)、九電工従業員持株会(5.01%)、西日本シティ銀行(4.41%)、福岡銀行(4.08%)、西日本鉄道(1.37%)などが名を連ねる。また、9名の取締役執行役員のなかには、九州電力と西日本シティ銀行の出身者が各1名ずつ入り、監査役には、非常勤ながらも九州電力会長の松尾氏や西部ガス会長の小川氏が名を連ねる(09年3月時点)。七社会のうち五社(九電工を含めて六社)までが登場する株主構成・役員構成となっている点は興味深い。
 同社の代表権を持つのは河部会長と橋田社長、加えて宗副社長・益田副社長の計4名である。同社の代表は九州電力の出身者が務めるのが慣例であるため、九電の常務まで務めた橋田社長は、いわば正統派。河部会長(前社長)は九電工の生え抜きであるため、こちらの方が異色の経歴の持ち主といえる。河部氏の社長在任中には、事業の多角化が積極的に推し進められ、その豪腕ぶりに社内外から賛否両論の声があがった経緯があるが、07年6月に会長職に退いている。ただ、河部会長は、現役の福岡商工会議所会頭として気を吐いており、単なる名誉職としての会長職ではないことがうかがえる。

(つづく)


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