岡野バルブ製造(株)(本社:北九州市門司区、岡野正敏社長)は、10月2日、2009年11月期第3四半期決算(連結)を発表した。
売上高が88億4,000万円、経常利益が11億4,100万円、四半期純利益が6億8,600万円。
バルブ事業については、国内向けバルブ販売では中国電力(株)島根原子力発電所3号機向け一般弁が売上の中心となった。またSRV(主蒸気逃がし安全弁)の予備弁のほか、付加価値の高い短納期部品やエンドユーザー直販の小口径鍛造弁の販売にも注力するとともに、メンテナンス部門と連携した巡回サービスによる部品の取り替えなど幅広い営業活動を展開したものの、全体的には小規模案件が多く、やや伸び悩んだ状況で推移した。
海外向けについては、上半期までは中国の大型火力発電所向けの生産がバルブ事業の好調さを支えていたものの、昨秋以降の世界的な景気後退の影響もあり6月以降からは小康状態となった。
メンテナンス事業については、期初は柏崎刈羽原子力発電所が運転再開に至らない状況において、他の原子力発電所においても定期検査工事の端境期であったため、やや厳しい状況にあった。これらを補うために、柏崎刈羽原子力発電所の起動に向けた弁の健全性確認工事のほか、自社開発機器を駆使した現地でのシート取り替え、電動弁の経年劣化診断など高付加価値な特殊工事を積極的に推進した。定期検査工事が集中した3月以降は計画通りに施工が進み、夏場の端境期も中小の工事案件に精力的に取り組んだ結果、おおむね順調に売上高を確保した。
損益面については、上半期は中国の火力発電所向けの豊富な受注量を背景に、工場稼働率が高い水準で推移していたものの、下半期に入り海外向けバルブ生産の減少によりやや低下し、製造原価を若干上昇させる要因となった。メンテナンス事業においては、自動メンテナンス機器による効率的な工事施工のほか、適正な人員配置と厳格な工程管理の徹底を図るなど、工数コストの低減に努めたが、繁閑の差による影響もあり、例年に比べて若干高い原価率になったとしている。
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