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コダマの核心

企業体質に余裕あるうちの路線転換  新栄住宅から学ぶ(後)
コダマの核心
2009年10月 2日 08:00

―総合不動産業への挑戦―

<攻めと守りのバランスある経営革新>
 まず、マンションデベロッパーに特化してきた同社の方向転換の第1点目は、この分野からの縮小である。今までは年間400戸の以上のマンション供給をしてきたが、今後は200戸内外に留める意向だ。デベ事業は、土地を仕込み、建てて販売するという自転車操業が宿命づけられている。業界需要環境が減るなかで、無理した新規仕込みの繰り返しをすれば、企業の安定性は得られない。デベ事業を半減させるという、フロービジネスからの撤退が経営革新の最大のポイントだ。当然、事業縮小をすれば余剰人員が生ずる。グループ会社の従業員90名のうち、30名程度希望退職募集(新栄住宅・新栄総合管理)に踏み切った。
 守りは行ないつつも、攻めの事業を育成する必要がある。第2点目は、ストックビジネスの強化が特筆される。ビル・マンション管理を担っているのは、関連会社の新栄総合管理(株)だ。この分野ではとりあえず1万戸まで管理戸数を増やしていくつもりである。増やすには、同業者のM&Aを推し進めていく。他人任せだけでは能がない。自社で積極的に収益ビルを購入して、管理数を増やす手立てもある。であるから、第3点目は収益事業としてビルの購入を果敢にすることだ。購入する企業は、本体の新栄住宅であったり関連会社の新栄地建(株)であったりする。今月15日には、長浜の1ルームマンションを購入した。利回りが10%を超えるとか。当面、70億から80億円の投資をする計画だ。
 第4点目は、不動産流通部門への進出だ。テナント・アパート賃貸斡旋や不動産仲介業は、同社にとっては未知の分野である。同業者からの教えを乞う姿勢でスタートするそうだ。当然、人材のスカウトやM&Aも展開していくのであろう。
マンションデベ時代は、「この1案件で2億、3億儲けよう」の行動パターンであった。ただいま進行中の『経営革新の要』は、薄いマージンを末永く頂こうというものだ。

<40周年があらたな躍進の機会>
 同社の40年を振り返ると、初期の段階では戸建ての分譲を行なってきた。途中からマンションデベに方向転換をして、九州で『財務内容No.1』の企業の地位を得た。木庭社長の「慎重経営」の真髄の蓄積が、金融機関からも一目置かれるようになってきたのだ。まさしく、土地企画(商品として戸建・マンション)販売というフロービジネスで、企業の蓄財を果たしてきたのだ。そして現在、「企業の余裕のあるうちに」という、お得意の先手必勝策で「経営革新実施」を打ちだしている。
 木庭社長も11月には74歳になる。同業者仲間である経営者の大半は、会社を倒産させている。経営者の人生の無常と対置しながら、最後の決戦に挑んでいるのだ。この決戦の帰趨は、「いかに手堅い収益物件を掌握するか」にある。同社に対する金融機関の評価は高い。「融資を断られることはない」ことを承知して、不動産業者は同社に情報を持ち込んでくる。毎日、2桁の案件が飛び込んでくる優位の立場にある。利回り物件が売りにだされる時代背景にこそ、このチャンスを巧妙に捕まえれば、同社の50周年に向かう前途は洋洋になるだろう。
 しかし、業界の現実は過酷だ。デベの同業者の大半が昇天した。屍を乗り越えてきた同社が40周年を迎えるのも驚異だが、さらに50周年に挑戦する姿勢には、兜を脱ぎたくなる。

(了)


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