今回は、設備工事やリース以外の事業を営むグループ会社について簡単に触れてみたい。
09年3月期の連結ベースでのこれらの事業規模は総額約61億7,900万円、全体に占める割合は2.5%程度である。しかし、ビジネスホテル事業、医療関連事業、ゴルフ場経営に結婚相談所など、これを支える企業は多数に渡っている。
以下は、九電工の連結決算表に付された事業関係図(一部修正)である。
このうち黒枠の中の代表的なものをいくつか取り上げる。
まず、(株)昭電社は電材や空調管設備の販売業務を行っている。従来、この部門には(株)九州電材もあったが、03年の事業再編の際に昭電社に吸収合併された。ここ事業規模(非連結・単体)は例年100億円前後であるが、08年3月期には大型物件への納入もあり、約140億円の売上高を計上した。当然ながら、その多くがグループ向けの販売となる。
九電工ホーム(株)は、不動産の売買・賃貸仲介、ゴルフ練習場の経営などを行う。篠栗町のベンタナヒルズに分譲マンションを展開しており、現在では8号館の分譲を行っている。当該物件の総戸数は112戸。07年に竣工したものの、昨今のマンション事情に揉まれて、販売は苦戦を強いられている模様。なお、ベンタナヒルズの各施設を管理するのが、同じくグループの一員である(株)ベンタナサプライという位置づけになる。
テレビCMなどで馴染みのインターネット温泉サイト、「温ぱら」(温泉ぱらだいす)を展開しているのは、(株)九電工コミュニケーションズ。06年3月に設立されて以降、積極的な広報活動を行うことで事業を拡大してきた。しかし、ネット上のサービスとしては目新しさに欠け、競争も熾烈な分野だけに、軌道に乗ったと判断するのは早計と見られていた。かかる状況下、今年10月には同事業を(株)ホワイトベア・ファミリー(大阪府)に譲渡することが発表された。
(つづく)
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