<三途の川から引き返す>
皆さんにも1度や2度は経験があろう。また、他人様からもよく聞いたことがあろう。「夢の中で誰が『おいでおいで』と手を振っている。『あれは誰かな』とみると、死んだ親父のような気がする。懐かしい思いで向うに行こうとうするが、足が竦(スク)む。金縛りにあい、動きが取れない状態になる。『オヤジ!!おーいオヤジ』と呼びかけるが、相手はニッコリしながら遠くに行ってしまった。そこで涙を流しながらハッと目が覚めた」という話である。
人間誰しも、あの世に成仏するまでの間、このような夢を必ず見る。慌てなくとも、誰でも三途の川を渡る運命からは逃げ切れない。ただ、個人の時間差にはかなり開きがある。あっさりと渡る人、執念を持って現世にフン張り踏み留まる人、千差万別だ。
自民党の中川昭一元財務相が急死した。一時は報道のあり方として、自殺説を憶測した記事もあったが、結局は病死が原因であったようだ。推理をするに、財務大臣のポストを捨てなければならないほどのアルコール依存症に陥っていた。こんな弱気な性格では、次の選挙での復活を期する闘争意欲が湧いてくるはずもない。浪人となり暇になった。暇だ。することもない、拘束されることもないから、24時間、酒を食らっていたのであろう。
もったいない話だ。先代が築いてくれた盤石な基盤を、酒で流してしまった。先代は自殺、本人も自暴自棄で三途の川を渡る選択をした。北海道の一部(帯広)の人たちにはこの中川親子のことを記憶には残すだろうが、一般人には一瞬にして忘却の方々になる。政界でも「親子二代とも精神的に脆かった」、という欠片しか残らない。
<寿命の制約はあっても、延ばすことはできる>
2009年は自殺する人が4万に迫る。死亡者が100万人突破の時代になった。死亡原因の4%に迫る自殺者の存在。異様な社会である。確かに国、自治体、社会全体が自殺者を減らす対策を施す必要があることは認める。がしかし、何よりも、自殺予備軍の方々に「いずれ我々は宿命として三途の川を渡ることになっている。早まるな。精一杯、生きてみたら」とアピールするしかない。自ら命を絶つようなもったいない行為は止めるべきだ。
医療技術は日進月歩である。癌に遭遇してあっさりと昇天される人もいるが、周囲には長期にわたる闘いを繰り返して10年以上も延命している人たちが、たくさん存在されている事実もある。ある経営者は、癌と15年以上の存命闘争をしている。癌および闘病に勝利している共通の原因は、(1)医療先端情報収集に抜かりがない、(2)素晴らしい医師との巡り合い・ネットワークを持っている、(3)金に糸目をつけない、などがある。癌と15年戦争している、上記の経営者が語る。「東京と福岡では、癌治療の水準は10年間の開きがある。福岡で治療していたら、とっくの昔に三途の川を渡っていたはずだ」。
延命している人は、人に言えない努力をしている。では、企業経営における『敢え無く地獄に落ちるケース』と『地獄に落ちているはずなのに生還してくるケース』という2つのケース、一体どこに決定的な差が生じているのか!!
次項、マンション販売のアームレポ(本社・福岡市中央区)の、地獄からの生還から学んでみよう!!
(つづく)
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