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選挙レポート

政権選択選挙の裏側(16) 40日間密着・福岡5区民主党の戦い
選挙レポート
2009年10月 7日 08:00

 ひな壇の上では候補が一瞬引き締まった顔を見せ、その後、相好を崩した。頭を下げ、感謝の意を表する。ちりぢりだった拍手がリズムを刻み始め「だ・い・ぞう! だ・い・ぞう!」のコールが巻き起こる。
 まるで祭りのような喧騒のなか、壇上から万歳三唱の音頭がとられる。楠田氏の口から感謝の言葉が伝えられた。次々と関係者が祝いの言葉を述べ、ついにはボランティアスタッフまでがひな壇に登った。フロアでは熱狂した支援者たちが口々に祝いの言葉を述べ、拍手を続けていた。
 「どんな戦いになるのか心配だった」
 「小選挙区での勝利はやっぱり嬉しい」
 「三度目の正直。二度小選挙区で敗退しているから、もしかしたら今回も同じかと心配していたが、勝てて本当によかった」
 「民主の風もさることながら、自転車部隊が選挙区中を駆け回ったのがよかった。選挙に興味のない人の目にも留まるし、若さをアピールすることもできた。若者の力が今回の勝利につながった」
 「比例復活とはいえ、過去2回国政の場に立っている。4期目に入るのだし、しかも今回は堂々の小選挙区勝利なのだから、今からは新人議員たちを引っ張っていくように実績を重ねてほしい」
 支援者同士の喜びの声とにわか国政評論が交差する。とにかく皆、満面の笑みをたたえている。熱はどんどん上がり、こらえきれなくなった支援者から大きな声でおめでとうと叫び声が上がるのも2度や3度ではなかった。
 午後10時をまわり、選対本部からいったんの幕引きが伝えられる。支援者たちは、興奮さめやらぬ様子で家路についた。楠田氏は帰り際の支援者一人ひとりにお礼を述べた後、固い握手を結び、国政の場での活躍を誓う。支援者たちは秘書をはじめ、ボランティアスタッフたちにも祝いの声をかけ、ゆっくりと帰宅しはじめた。こうして真夏の決戦は幕を閉じた。
 昼ごろには整然と並べられていたはずの椅子が列を乱し、チリひとつなかったフロアには外から持ち込まれた砂がたまり、紙コップが散乱していた。たった数時間のこと。それだけ短時間にもかかわらず、まるで嵐が通り過ぎたあとのような雑然とした事務所になっていた。けれども、いやな顔をするものは一人もいなかった。こうして喜びと熱狂の夜は終わった。

(つづく)

【柳 茂嘉】


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