地域主権型道州制に向けて 九州の若い力に期待
グローバル・インフラ
―日韓トンネルやハブ空港などの、道州制を導入することで実現するインフラの可能性について、もう少し具体的にお教えください。
江口 私は、日韓トンネルは良い発想だと思いますが、福岡一県だけで取り組んでもダメです。その前提に道州制があって、九州全体がひとつのまとまった広域行政のなかで日韓トンネルに取り組んでいく。そして、熊本に仁川国際空港の2倍規模のハブ空港をつくれば、東アジアにおいて九州は中心地になれます。
私は、日本に空港は九州、名古屋、東京、北海道の4カ所にあれば十分だと考えています。関西は不要です。関西空港には自衛隊あるいは米軍基地をつくり、飛行機に乗るときは名古屋まで行けばいい。しかも、JR東海が2025年までに東京―名古屋間にリニアモーターカーを通すという話がありますから、リニアを大阪まで伸ばせば30分で名古屋に行けます。
そうした観点から見ると、九州は道州制で受けるメリットは大きいと思います。九州がひとつになり拠点づくりをし、日韓トンネルを通せれば、自動車でヨーロッパまで行けてしまうということです。シルクロードがあったぐらいですから。
そういう道を作るということは、九州を国際的に高めるだけではありません。そのルート上にイラクやアフガニスタンがありますが、日本からヨーロッパにつながる道をつくれば、国際交流が活発化するなかで紛争を終わらせるような国際的な動きも出てくるでしょう。このように、いろいろな効果が期待できます。
やはり九州全体はひとつという枠組みのもと、県ごとに別々という考え方は過去のこととして、ぜひ日韓トンネルについて、あきらめず考え続けてほしいです。
―これからは、私たちのような若い世代がそうしたことを真剣に考えていく必要があります。
江口 私は若い人たちに「あなたたちが中心になって、政治や日本の将来についてきちんと考えなければならない。年寄りにばかり考えさせてはいけない。私たちの世代に考えさせていてはダメだ」と説いています。我々の世代があと20年生きていられるかというと、その可能性はほとんどありませんから。
【大根田康介】
【地域主権型道州制国民協議会】
PHP総合研究所・代表取締役社長の江口克彦氏を会長として、東京・新宿区で2009年1月26日に設立された。「増税をしない国家運営」「地域の産官学住による経済活性化」「地域住民秀建による元気な社会」を実現することが目的。国民の間でも地域主権型道州制の実現への機運が高まり、現在は全国56支部、3,000人の会員を擁する。年内には会員が1万人規模になる見込みで、さらなる発展を目指している。
<同協議会ホームページ>
http://www.dousyusei.jp/
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