地域主権型道州制に向けて 九州の若い力に期待
日本の将来を担うDNA
―江口社長が九州の若い人たちに期待していることを非常に感じました。
江口 九州地区JCの方たちの話に、私は非常に感銘を受けたのです。そのことがきっかけで、九州の若い経営者たちは自分たちが生きていく日本の将来をどうするか、自分たちの頭で考えているという印象を持ちました。私は全国各地で講演などをしていますが、若い人たちが日韓トンネルのような大きなことを考えているのには感動しましたね。
明治維新期でも、西郷隆盛や大久保利通、坂本竜馬なども地方出身者ですが、九州の若い人たちには、彼ら維新の志士たちのDNAがあるのでないかと思います。新浪社長だけではなく、売上や店舗の拡大だけ求めるような人たちには、そういう大きな発想は難しいのでしょうか。
―私自身、福岡の活性化について考える若手の会合に参加していますが、江口社長のお話では福岡のことだけ考えても仕方がないということですね。
江口 福岡のためにはまず九州全体のことを考えなければいけません。そのためには、グローバル化とどう結びつけていくのかという観点が必要です。福岡だけの視点ではうまくいかないのではないでしょうか。
ともかく地域主権型道州制を導入することで、地方の財政問題も解決に向かい、若い人たちに将来への不安や重い負担を与えないようなことができると思います。
また、いまの若い人たちがこれから30年、40年と生きていくなかで自分たちが生きる社会をどうしようか、自分たちが50歳、60歳になったときにどのような社会にしたいか、といったことを中心になって真剣に考えていかなければなりません。
その意味で、新しい日本という国は、九州や四国、中国などに住んでいる若い人たちの手によってつくられるのではないかと改めて強く感じました。だから私は今後、集中的に九州の若い人たちと話をしていきたいと思っています。
【大根田康介】
【地域主権型道州制国民協議会】
PHP総合研究所・代表取締役社長の江口克彦氏を会長として、東京・新宿区で2009年1月26日に設立された。「増税をしない国家運営」「地域の産官学住による経済活性化」「地域住民秀建による元気な社会」を実現することが目的。国民の間でも地域主権型道州制の実現への機運が高まり、現在は全国56支部、3,000人の会員を擁する。年内には会員が1万人規模になる見込みで、さらなる発展を目指している。
<同協議会ホームページ>
http://www.dousyusei.jp/
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