10月5日の決済が不調に終わり、事後処理を弁護士と相談中の㈱森組。同社は今回の事態に陥る以前、いくつかのシグナルを発していた。今回はそのシグナルをレポートする。
遡ること今から数ヶ月前、同社に対する問い合わせがあった。その内容は次の通り。
福岡県内のA社は同社が振出した廻し手形を受け取ったが、裏書した業者B社よりジャンプ要請を受けたのだ。当然、A社はジャンプ要請を断ったと同時に、弊社に同社とB社の信用状況の問い合わせをしてきた。
当時の取材で、同社代表は「厳しい状況ではあるが、B社に対してジャンプ要請はしていない」とコメント。次にB社であるが、実はB社は07年10月に破綻した北九州市の業者C社と不透明な手形のやりとりを行なっていた。その後、B社は同一所在地に別会社を設立し、現在も事業を継続中である。幸い、ジャンプ要請を受けた手形は無事に決済された。筆者はB社と取引があったこと自体に驚いたが、B社の名前は今でもよく目にする。
さらに9月中旬、同社の先代社長が逝去した。しかし、この事実は取引業者には伏せられ、葬儀は親族のみで執り行なわれた。関係者の証言によると、「同社は取引業者に多大な迷惑を掛けていたこともあり、先代が亡くなったことは伏せていた」とのこと。
既報の通り、弁護士と相談中の同社であるが、数百万円と見られる弁護士費用の工面をしているようだ。
【発信・北九州】
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