―これからの前原において必要な事とは?発展する産業は?
佐藤 農業はこれから関心が高まると思います。前原・糸島地区は胡蝶蘭の生産が日本一ですし、これをもっとPRしてもよいかと思います。二丈町にはカリスマ農業従事者の方がおられまして、この方を囲んで定期的にミニ集会なども開かれているそうです。若い人のなかには30代の方もおられれば、東京・渋谷でOLをしていた人が仕事を辞めて農業を始めている方もおられます。都会の生活から農村へと若者を移住させるのも良いかと思います。空いてる古民家を行政が買い取って若者に提供する。そうすれば、食糧自給率も上がりますし、魅力的な町にもなると思います。
―それは面白い。魅力的な町になれば、人はどんどん集まってきますしね
佐藤 余談ですが、前原・糸島地区の学校給食はめちゃくちゃ美味しいんですよ。地元の野菜などが使われることで、本物の味、地元の味を提供できていると思います。子どもたちにこの給食を食べさせてあげられることは、食育の観点から見ても大きい。基礎教育の場にはもってこいです。
ちなみに私にも2歳になったばかりの女の子がおりまして、この子がすくすくのびのびと成長してほしいと願い、福岡市から前原市の波多江に家族で越してきました。しかし、自然に恵まれている半面、公園、遊び場、図書館などが不足している現実もあります。行政施策の柱として、豊かな環境での子育て支援、安心の高齢者生活環境作りを進めていきたいと思います。
―基礎教育の中に地元九大の学生との連携もありますよね
佐藤 当然ながら、九大と連携を取りながら、前原・糸島地区の学力向上に尽力したいと思います。しかし、地元と九大との連携はとても薄いという印象があります。せっかく地元に誘致できたのにも関わらず、大学の周りに商業施設や店舗ができないのはもったいないです。九大生は周辺でアルバイトがないから、天神まで出てくる。バイト先の天神に住む、前原・糸島には住まずに通学だけといった現象がすでに起きてます。これはもったいないですね。
―何か秘策はありますか?
佐藤 さきほどの農業の話になりますが、九大生と共同で農作業をするのも良いかと思います。九大から3,000~4,000人の学生が、ここに住み、農業のバイトをするだけでもかなりの戦力になります。
―最後に、次回の選挙戦の抱負を。
佐藤 11月中旬には地元市議会議員などと一緒に、糸島の魅力を語るシンポジウムを開催する予定です。もう選挙戦は始まっています。国政と地方首長選挙は違いますが、今回の選挙は民主、社民の風が大きかった。次回はビジョンで戦います。
【文・構成 矢野 寛之】
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