今月13日、政治資金流用疑惑に揺れる福岡2区・稲富修二衆院議員に質問書を提出した。資金流用について話を聞こうとしたが、稲富氏から「書面でお願いしたい」という申し出を受けたためである。
質問は、以下の3項目である。
1、07年知事選挙における1,900万円の選挙余剰金は、誰からどのような形で返金されましたか。
2、同余剰金が振り込まれた口座は貴殿個人のものか、「いなとみ修二後援会」のものか、ご回答下さい。
3、昨年、貴殿が「いなとみ修二後援会」に貸し付けた500万円の原資についてお答え下さい。
これに対し15日、稲富氏側の回答がFAXで送られてきた。要旨は次のとおりだ。
1、2、の質問については、「古賀友行氏(知事選選対本部長・元県議)から稲富氏個人の口座へ振り込みが行われた」。
3、の500万円の原資については「稲富氏の預貯金」と記されている。
稲富氏側にとって、1、2、の質問に対する答えは、上記のひとつしかない。余剰金を「現金に近い形で預かった」古賀氏が、稲富氏側に返すという図式しかあり得ないからだ。問題は、誰が、どうやって1,900万円を「現金化」したのかである。この点については、稿を改めて詳細に報じていきたい。
3、の質問に対する回答は不完全である。第一、「預貯金」という言葉自体が曖昧である。預金と貯金は違うものであることくらい、普通の大人なら知っているだろう。稲富氏の500万円は銀行に「預金」していたものなのか、郵便局に「貯金」していたものなのか、肝心のところがぼかされている。
さらに、500万円の原資については全く明らかにしていない。政治資金収支報告書に記されているとおり、500万円は稲富氏自身の金であろう。質問書で聞いているのは「預貯金」とされる500万円を、どのようにして作ったのかであって、どこに預けていたのかではない。借金なのか、はたまた懐にあたためていた金か・・・。ぼかした回答は、金の出所を確認されたくない稲富氏側の苦肉の策なのだろう。稲富氏側にとって、もっとも答えたくない部分だからだ。
(つづく)
※記事へのご意見はこちら
※記事へのご意見はこちら