19日、福岡7区を地盤とする民主党・野田国義衆院議員が、旧来型の陳情政治打破へ一歩踏み出した。
同選挙区内の5市(大牟田、柳川、八女、筑後、みやま)の市長による集団陳情を断り、各自治体の市長室でのひざ詰め会談を表明していた野田氏は、この日夕、柳川市役所に金子健次市長を訪ねた。
会談冒頭、「上京されるということでしたが、私の方からお話をおうかがいに来ました。地元の要望について、しっかりとお話をお聞きします」と切り出した野田氏は、柳川市からの要望書を受け取り、金子市長の説明に耳を傾けた。
柳川市の要望は、有明海沿岸道路の事業継続など数項目だったが、クリーク(柳川を象徴する掘割)維持の助成など、同市独自の事業への要望も。
野田氏は、有明海沿岸道路の事業費などについて、国交省に内容を精査させていることなどを説明しながら、地元の要望にも理解を示した。
会談後、金子市長は「こちら(地元市役所)に来てもらえるということは助かる。こうした動きは(全国に)広がるのではないか。ただ、上京して陳情することもある。地元にふたり(野田氏と自民党・古賀誠を指す)の国会議員がいるということは心強い」などと語り、野田氏の手法を評価する一方、自民・古賀氏にも配慮を見せた。なお、5市の市長らは21日、予定通り上京し、自民・古賀氏に陳情を行うという。
野田氏はこのあと、大牟田、八女、筑後の各市長を順次訪ねて、地元の要望を聞く予定。従来型の陳情政治に終止符を打てるか、野田氏の動きから目が離せない。
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