ここでいう「闇」とはサラ金や闇金のことではない。資格と法律を盾に、貸金業者から利息制限法を超える利息分を返還させる「過払い金返還請求」の代理人となって依頼者から報酬を得ることを目的とし、しかも所得を申告しなかった者たちの存在である。
10月18日、福岡、佐賀、長崎3県の認定司法書士や弁護士ら約120人に対し、福岡国税局が過払い金返還請求の報酬として受け取った約10億円について所得隠しや申告漏れがあると指摘したと報じられた。認定司法書士とは、司法書士で一定の講習と試験を経て請求額140万円以下の訴訟代理人ができる者を指す。
この件について、19日、福岡県司法書士会(会長:荻林和則)は「このような行為があったことは、司法書士業務そのものではないものの、司法書士制度に対する信頼を著しく損なうものであり誠に遺憾」という声明をホームページ上で発表した。
業界に詳しい関係者は「本来については、140万円以上については弁護士しか代理人になれないが、本人申立というかたちで当該案件を扱っている司法書士はたくさんいる。しかし、誰が何人の訴訟をしたかという数値は絶対に表に出ない。たとえお金が依頼者に返ってきても、彼らが恥ずかしがって税務署に申告しないからだ。したがって、そこで発生した手数料などは闇から闇に動く。だから脱税もやり放題」と語る。
さらに、「個人消費者融資については、本などである程度の知識が身につけられるから認定司法書士でも可能だが、事業者向け融資の場合は過払い返還専門の弁護士の指南などがなければ難しい。また、依頼者は貸金業者からの取立が終われば代理人に対して神様扱いになるから言いなりになるし、代理人側にしてもいい金づるになる」という。
今回はたまたま福岡、佐賀、長崎の3県の事例だったが、他県に波及するのか、さらなる脱税事例がでるのか、動向が注目される。
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