4月の市長選で現職の石田宝蔵氏を破り、初当選を果たした金子健次・柳川市長。「柳川を変える」と訴え、「誠実」で「公正」な政治の実現を掲げて就任から6カ月を経過した。10月中旬、弊社のインタビューに応じた金子市長は、市民や議会に対する説明責任を果たし、行政と市民の信頼関係の回復に努めるとの抱負を語った。また、「水郷・柳川」にふさわしい観光産業に力を入れるとともに、農業・漁業者が将来に展望がもてる街づくりを目指したいとの意欲も示した。おりしも民主党政権が誕生し、中央政府と地方自治体の関係が転換を迫られるなか、柳川の振興にとっても課題が多いことも明らかとなった。
―柳川市に元気が出て、展望が見えてくる政策は何でしょう。
金子 マニフェストにも掲げましたが、「総合運動公園の整備」があります。市内には100mの直線コースのグランドはありませんし、19の小学校が一堂に会して記録会などを実施することもできません。このため野球やサッカーだけではなく、レクレーションなども行なうことができるようになれば、高齢者、障害者などの健康増進にも役立つと思います。若い人たちからは「ぜひ造って欲しい」という声もあがってきています。財政事情が厳しいのは十分承知していますが、合併特例債を活用して事業を行なえば市の負担は少なくなり、十分可能だと試算しています。すでにこの構想については、国の関係機関に要望していますが、民主党政権が誕生したなかでどうなるのか、非常に気にはなっています。ほかの重要施策としては、先ほど述べました「かわの駅整備」や「水環境の再生」などがあります。
柳川市は現状では、企業誘致は困難かと思います。しかし、「柳川に一度は住んでみたい」と思われるような定住施策や、若者が流入しやすい住環境の整備、子育てしやすい街づくりという「健康・子育て・福祉」に重きを置いた施策を実行していくならば、あまり悲観的にならなくても良いのではないかと思います。みんなが笑顔で暮らせる魅力ある街づくりを進めるのが、自治体の役割でもあると考えています。
(了)
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