安全安心、環境に配慮した「住みたい街」の創造を

＜環境に配慮した高機能型、街の美化活動にも尽力＞

　—御社の「MOJI MID AIR」のチラシなどを拝見しますと、謳われている内容が普通のマンションとは違います。

　山田　通常のチラシであれば、学校や病院、買い物などのイメージ写真が入り、「距離がどのくらい」とか「生活に非常に便利ですよ」というものを謳われています。ですが、弊社の物件では、たとえば「MOJI MID AIR」ですと、福岡の方ではなく北九州の方が買いにこられるので、そのあたりは既にご存知なのです。なので、それよりもこの街やマンションがどうであるか、ということを前面に押し出しています。
　たとえば、今は低炭素社会でCO2などの環境問題が話題になっていますが、それに対して西欧の環境先進国で学んできたことから弊社ができること、という観点から選んだものを今回多く取り入れています。カーシェアリングでのハイブリッドカー導入は九州初ですし、コージェネレーションシステムを採用したマンションでは日本初です。併せて、「CASBEE」という北九州市が行なっている建築物総合環境性能評価のシステムがあるのですが、弊社のマンションは環境性能からいうと「非常に良い」Aランクをいただいています。このようにいろいろと環境に配慮した機能を取り入れて、それに対して興味のある方に、「ここで一緒にお住まいになられませんか」という仕掛けをしています。ですから、このマンションはそういう高い意識をお持ちの方がよく来られますし、営業に向けられる質問も厳しいものがあります。

　—街の清掃活動などにも取り組んでおられるようですね。

　山田　先ほども申しましたが、やはり「住みたい街」を提供していきたいと考えていますので、汚い街ではいけません。ですから、マンションのまわりを社員で毎朝清掃をしております。その活動が北九州市からも認められて「道路サポーター制度」を適用していただいたり、周辺住民の意識も変わってきていたりしています。いずれ弊社が次の事業に移行する際には、管理組合に引き継いでいただこうと考えています。街全体が美しい街になれば自ずとコミュニティが育まれ、環境に対する意識はもっと高まってくるのではないでしょうか。

＜管理とセキュリティ建設も一流のものを＞

　—管理は住友不動産建物サービスとお聞きしました。たとえば、御社自ら管理などはされないのですか。

　山田　やっておりません。管理というのはものすごく大事で、やはり長期にわたって進化していかなければなりません。そのうえで管理コストや業務の内容自体を充実させなければなりません。皆様の財産を託すわけですから、高いレベルを要求されるのです。ですから専門の、しかも大手で実績があるところでないと無理ですね。セキュリティも一緒です。こちらはALSOKさんにお願いしているのですが、弊社に合わせた独自のセキュリティメニューをつくってくれています。

　—今回の建設は鹿島建設、いわゆる大手スーパーゼネコンにお願いしたと聞いていますが。

　山田　弊社の物件は基本的にタワーなどの高層のものが多いので、技術的にどうしても大手スーパーゼネコンに頼らざるを得ません。実は鹿島建設も、九州支店管内ではタワー実績がないのです。ですから、今回は東京本社の協力を仰ぎ、設計・耐震性能を含めた建物に関してトータルにお願いをしています。やはり、鹿島建設などのスーパーゼネコンが凄いのは、こういう構造的なものに関しての独自の技術をお持ちなのです。
　また、弊社の建築物の場合、高強度素材を多く使った駆体なので、理論上は100年持つようになっています。地震に対する構造評価も大臣認定をいただいていますし、信頼できるゼネコンに任せた方が、末永く安心できるという面もあります。

　—次はどのあたりに建てられる予定ですか。

　山田　福岡市内でやりたいとは思うのですが、北九州市と違って公的機関主導型の面整備事業が今のところありません。やはり、北九州市が行なっているような公的機関主導の市街地再開発や区画整理事業に絡んで、地域一帯としての「住みたい街づくり」を行なっていき、その街のランドマークとなるものを建てたいですね。

【文・構成：坂田　憲治】

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